第239話 バイク事故

バイクで峠道を通っている時の事だ




事故があったようで、崖に向かってタイヤ痕が続いており、破壊されたばかりに見えるガードレールがあった




「こりゃ生きてないな・・・」




一応、崖の下を覗いたが、木が邪魔で下が見えない




「おーい、誰か居るか? 助けてくれ」




若い男の声でそんな風に助けを求める声が聞こえた




「わかった、すぐ救急車を呼ぶ」




俺は119番通報をして、救急車を待った




「まだか? 助けてくれ」




「もう電話したからもうすぐ来ると思うぞ、がんばれ」




そう言って俺は顔も見えない男を励ました




しばらくして、救急車のサイレンの音が聞こえてきた




「もうすぐ救急車が着くぞ。大丈夫か?」




「大丈夫だ」




そう言う声と、がさがさと草を揺らす様子が見えた




救急車が到着し、けが人はどこかと聞かれたので、あの辺だと、さっき草の揺れたところを指さした




救急隊員は慣れた様子で崖を下りていく




「・・・これは」




隊員は男を連れずに戻ってきて、電話していた




「男性の遺体を発見した」




「えっ・・・さっきまで大丈夫って・・・」




「いや、即死だろう。上半身しか見つからなかった」




隊員の言う通り、男はガードレールにぶつかった拍子に投げ出され、木の枝に激しくぶつかって真っ二つになったらしい




じゃあ、あの声は誰の声だったのだろうか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る