第232話 不安

夢を見ていると分かった




気が付くと、何もない一本道に立っていた




「これを持て」




後ろから急に話しかけられてビクッとする。振り向くと、フードを被った老人の様だ




「早く持て」




そう言って老人から渡されたのは、生まれたばかりの赤ん坊に見えた




赤ん坊は生きているのか死んでいるのかもわからないくらい微動だにしない




「落とすなよ。行け」




俺はそう言われて何もない道を進む。進んでいくと、やぶのような場所を通りかかった




藪から急に蛇が出てきてびっくりしたが、それだけだ




さらに進むと、犬が出てきて吠えた。それも少し驚いたが大丈夫だ




もしかしたら、俺の彼女に赤ちゃんが出来たのかもしれない




そう思って赤ん坊を大事に抱える




赤ん坊を見ると、何故か2歳くらいの幼児になっていた。気づいたとたんに重くなった




しばらく歩くと、急に足元が崩れる感触がして、危うく幼児を落としそうになったが、なんとか尻もちをつくだけで大丈夫だった




立ち上がり、お尻を片手で払う




「危なかったな」




いつの間にかさっきの老人が立っている




「いつまで歩けばいいんだ?」




「もうすぐだ、もうすぐ」




俺は引き続き歩いていると、上から急に彼女が降ってきて地面にぶつかった




「大丈夫か!?」




すると、彼女は地面にそのまま沈んでいった




気が付くと、幼児は小学生くらいになっていた。さすがに重くなったのでおんぶにした




がんばって進むと、湖に着いた




喉が渇いたので水を飲もうと湖を見ると、俺の後ろから覗き込む顔が見えた




「うわっ」




俺は驚いて子供を落としてしまった




「残念だ」




目が覚めると、気絶した彼女が隣に居た。俺は握りしめた手で彼女のお腹を叩いていた様だ




それから彼女の妊娠が発覚したが、不安しかない

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