第228話 湯飲み

大学生活を終え、引っ越しすることになった




大学の友達が引っ越し作業を手伝ってくれることになり、荷物をどんどん段ボールに詰めていく




荷物は実家に送った。今日は手伝ってくれた友達に飯を奢って電車で帰る事にした




後日、実家に帰り、段ボールを開けていく




「あれ? こんなものあったっけ?」




見た事のない陶器製のコップが入っていた。俺はガラスのコップしか持っていないので誰かの忘れ物か?




とりあえず、手伝ってくれた友達に電話で確認したが、誰もそんなコップを持ってないし、入れた覚えも無いそうだ




誰のか分からない物で飲み物を飲むつもりはなかったが、捨てるのも勿体ないので花瓶代わりに使うことにした




「あら、この湯飲みはおじいちゃんのじゃない?」




母が、見た事のあるコップだという。ちなみに、祖父は亡くなっているので、遺品と言う事になるが、何でそんなものが俺の段ボールに?




「へんね、昔、私が割ったような気がするのに……」




さらに、母が割ったものだとは……本当に祖父の物だったかどうかは分からないが、花瓶代わりに使っているこのコップは、やけに水の減りが早い気がする

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る