第226話 最後の写真
ある写真家の個展が開かれていた
その写真家は事故ですでに亡くなられたらしい
その人の撮った写真は、最初は身の回りにある物を中心に撮ってある写真だった
次に、鳥や野生の獣を中心に収めた写真が多くなった
私の他にお客は居ないので、ゆっくりと順番に見て回る
この個展を主催したであろう、写真家の家族と思われる女性が話しかけてきた
「いかがですか? 生前、主人が撮りためていた物を人目につくようにしてあげたいと思いまして、こうして展示しているのです」
「奥様ですか? ご主人は最後の方は風景を中心に撮るようになったようですね」
ダイナミックな滝や渓谷など、自然が感じられる
しかし、最後の写真には幕がかけられていた
「これは?」
「それは、主人が最後に撮った写真です。万人受けしない物なので……どうしても見たい方だけに見せております」
私は、せっかく来たのだからすべて見たいと思い、見せてもらうことにした
そして、後悔した
その写真は、尖った岩の真上から撮った写真だった
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