第191話 密室で

一軒の家から警察署へ電話が入った





奥さんが言うには、夫がトイレに入ったまま出てこなくなり、ノックをしても返事が無い





また、鍵がかかっているため開けられないという事だった





警察官が現場に着くと、トイレのドアが確かに開かない。ノックをして声をかけても確かに返事は無いようだ





一旦外へ出て、トイレの窓を見てみることにした





トイレの窓は少しだけ開いているが、手が入るかどうかくらいの狭さで、到底そこから入ることは出来ない





家に戻り、トイレの鍵を破壊したが、ドアに寄りかかっているのか、ひっかかって少ししか開けることができず、入ることは出来なかった





緊急事態という事で、トイレの窓を壊して中を見ると、男性がぐったりとして床に倒れていた





警官は紫色になった唇を見て毒殺を疑ったため、鑑識なども呼ばれた





男性は病院へ運ばれたが、心肺停止状態ですぐに死亡が言い渡された





司法解剖の結果、男性はやはり毒によって死亡していた事が分かった





しかし、家からは全く毒物が見つかることは無かった





更に詳しい検査の結果、使われたのは神経毒と言う事だった





夫婦仲が良くなかったとの近所の証言から、奥さんから詳しく話を聞くことになった





その結果、奥さんはトイレの窓からスズメバチを入れたことを認めた





しかし、死因は神経毒なのでスズメバチではない事が分かる





捜査の結果、下水道からマムシが見つかった





おそらく、トイレの排水溝から入り込んで噛みついたのだろうという事だった

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