第189話 松茸を取りに
「近くの山でマツタケを盗もうとした中国人が怪我をして入院したみたいだぞ」
その病院へ勤めている友人が、酒の肴にと話してくれた
「その中国人を病室へ連れて行く途中で聞いたんだ。「〇〇山、マツタケいっぱい、怪我いっぱい」だってさ。いみがわかんねぇ」
友人はそう言って笑った
マツタケか・・俺は友人の話を聞いてマツタケを取りに行きたくなった
個人所有の山へ入るのは犯罪なのだろうが、誰も見ていないと高をくくって忍び込んだ
「おっ、マジでマツタケがいっぱいだ」
俺はホクホク顔をしてマツタケに近づいて行く
バチンッ
「ぎゃあ!」
俺の右足をトラバサミが挟んでいる。イノシシ用の罠か、巧妙に落ち葉に隠されて仕掛けられていた
幸い電波は届くので電話で助けを呼ぶことが出来た
友人の病院に数週間の入院ですむことになったが、友人ががっかりした様な顔で言ってくる
「お前も、性格の悪い山の所有者の犠牲になったか」
友人がさらに聞いた話には、マツタケがあると話を流しているのは山の持ち主で、わざとマツタケの近くに罠を仕掛けて楽しんでいるそうだ
「不法侵入だから、誰も文句は言えないみたいだけどな」
「ああ、俺も念のためにいっぱい掛けていった保険金でもうかるから文句はないよ」
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