第165話 よく読むと・・・
「ひどい! 私を捨てるの?!」
この日、私は大学から付き合っていた彼氏に振られた
原因は分からない。今朝、急に会いたいと連絡があり、会社が終わってすぐに会いに行くと、別れたいと言われたのだ
確かに、会社が忙しくて休日もろくに会わず、平日も残業続きでLINEでの連絡もおろそかになっていたと思う
でも、それは彼も納得していると、私は勝手に思っていた
彼は一方的に私が悪いという事を早口でまくしたてたあと、新しく好きな人が出来たと言った
彼はもっと気軽に会えて遊べる女を選んだのだ
彼は私の部屋に住んでいたので、私の部屋には彼の私物がいっぱいある
でも、彼は全部捨てて良いと言って出て行った
私は、捨てられない性格で、彼との思い出があるものをなかなか捨てられなかった
そして、私にもまた春が来た
人事異動で新しく配属されてきた一つ年上の男性から告白されたのだ。見た目が私のタイプだったので、すぐにOKの返事をした
交際から1か月、彼が私の部屋に着たいと言ったので、慌てて前の彼を段ボールに入れて片付けた
彼が私の部屋に入ると、顔をしかめる
「女の子に対してこう言う事も言いたくは無いが、何か変な臭いがしないか?」
彼は臭いをたどると、部屋の隅に片付けられた段ボールを見つけた
「それは前の彼・・・」
彼は私の話をさえぎって段ボールを開ける。そして、悲鳴を上げた
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