第160話 タクシーで
塾の帰りの事でした
いつもは母親が向かえに来てくれるのですが、電話をすると、急用ができて迎えに行けなくなったと言う事で、タクシーで帰っておいでということでした
塾の前の道は主要道路だったので、運よくタクシーを拾う事が出来ました
小学生の女の子が乗ってくることに、運転手は怪訝な顔をしましたが、理由を話すと納得した様でした
「住所はどこだい?」
運転手に住所を伝えると、タクシーは何も言わずに動き始めました
タクシーの運転手と話している間、外を見ていたのですが、いつもと帰る道が違います
近道なのかな? と最初の時は思ったのですが、いつもであれば家についている時間になってもつく様子がありません
「そろそろ着きますか?」
と聞くと、
「もうすぐだよ」
というので、もうしばらく待つことにしましたが、相変わらず見たことが無い道でした
いつの間にか寝ていたようで、起きると家の前でした
「ありがとうございました、いくらですか?」
と聞くと、3千円というので、こういう時のためにと渡されていた1万円をお守りからだすと、7千円のおつりをもらって降りました
「こんな時間までどこへ行っていたの!」
家に帰ると、母親に怒られました
電話もつながらず、心配したそうです
私は、タクシーに乗って普通に帰ってきたと言いましたが、時計を見ると、塾が終わったのが18時なのに、今はもう22時でした。いつもなら30分もかからず帰ってくる道が です
私は、どこを通って帰ってきたのでしょうか?
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