第141話 一つ目

その日、私は3歳の娘と一緒に幼稚園から帰るところでした




駐車場に向かう途中で、娘が後ろを振り向いたとき、指をさしました




「ママー、あそこに一つ目の人がいるよ」




私は、「えっ、一つ目小僧?」と思って振り向くと、そこには眼帯をした老人が居ただけでした




私は、老人に謝りながら、娘に




「あれは、目を覆っているだけで一つ目じゃないのよ」




と伝えましたが




娘が指さしたのは、老人の後ろでした




私には何も見えませんでしたが、娘には何か見えていたのでしょうか

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