第117話 賽の河原
ここはどこだろうか
近くに流れる川の周りに、何人もの人が見える
すべて、白い装束を着ているようだ
呆然としていると、鬼が近づいてきた
「お前は死んだのだ。ここで石を積むがいい」
そう言うと、鬼は去っていった。自分の前には、数百の石があった
パズルには自信があったため、訳も分からず大きな石から順番に積んでいく
数十個積んだところで、鬼が再び近づいてきて、崩した
「やり直せ」
そう言ってまた鬼は去っていった
他の人を見ると、同じように石を積んでは崩されているようだ
石の数は、どういうわけか見た目が年老いているほど多い気がする
「早く積め」
鬼が来たので聞いてみる
「なんで石の数に差があるんですか?」
「この石は、生前に犯した罪の分だけの数がある」
なるほど、人は生きているだけで罪を重ねているのか。自分の数百が多いのかどうかは分からない
すると、急に子供が現れた。私もこうやって現れたのだろうか?
鬼は、その子供にも石を積めという
しかし、どう見ても詰めるわけがない大きさの石だ
「なんであの子だけ、石がとてつもなく大きいのですか?」
「親より先に死ぬのが一番の罪だからだ」
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