第114話 デジャヴ

「今日もいい狩りだった」




俺はMMORPGを閉じると、ヘッドホンを外し酷使した目をもむ




「歯磨きでもするか」




俺は立ち上がると、洗面台に向かう。時刻はすでに午前1時だ。家族は皆寝ているだろうから、しずかに歩く




すると、妹の部屋から光が漏れていた




「妹が夜更かしするなんて珍しいな?」




いつもは、「夜更かしは美容に悪いから、絶対に起こさないでね!」とか言うから、もしかしたら電気をつけっぱなしで寝てしまったのか?




電気を消すために、妹の部屋に入るかどうか迷う。すると、中から、グチャ、グチャという音がする




「何かしているのか?」と声をかけるのもためらわれる糸を引いたような音だ




俺は息を殺してそっと妹の部屋のドアノブを捻る。音がしないようにゆっくりと開ける間も、ニチャ、グチッという音が聞こえる




すると、肌色の生物が見えた




「何をしているんだ!」




俺が叫ぶと、その生物はこちらを向いた。口を血で真っ赤に染め、妹の上に馬乗りになっている




妹はすでに息をしていないのか、ベッドから垂れる腕は力ない




「ケケケッ」




肌色の生物は、うれしそうに俺を見ると、飛び掛かってくる




「はっ」




俺は寝落ちしていたようだ。画面では、肌色のモンスターがふらふらと徘徊しているところだった




「なんだ、夢か」




時刻はもう午前2時だった




「歯磨きして寝ようっと」




俺が洗面台に向かうと、妹の部屋からグチャ、グチャという音が聞こえた

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