第78話 生存ゲーム
死刑判決を受けた10人の犯罪者に、無罪になる条件を出した
1つ、毎日食事、水は提供する
1つ、他人を害してはならない
1つ、1年間生き残るか、最後の一人になったら無罪になる
10人は、男8人、女2人だった
初日、食事が提供される。一人の男が文句を言った
「なんだこれは、一皿しかないじゃないか!」
大皿に、全員分の食事がまとめて入れられている
直接的な暴力が禁止なので、威圧的な大柄な男が好きなだけ食べ、あとは見た目や口のうまさなどで食べていき、一番弱い者には一口分しか残らなかった
水はきちんと用意された
女は文句をいった
「こんな環境じゃ、女性は不利よ!プライバシーは無いの?」
布とロープが提供され、目隠しとして男女を分けた
次の日、また大柄の男が好きなだけ食べ、一番弱い者には一口分しか残らなかった
1週間後、一番弱い者は死んでいた
一番弱い者は女性であったため、男女比は8:1になった
次の日、食事の量が少し少なかった
また、大柄の男が好きなだけ食べ、一番弱い者には一口分しか残らなかった
生き残った女性は、このままだと次に死ぬのは自分だと思い、大柄の男の妻となる事にした
すると、一番弱い者には一口分の食事も残らなくなった
1週間後、一番弱い者は死んだ
次の1週間で、一人の男が自殺した
次の1週間で二人が死んだ
だんだんと大皿に乗る食事の量が減り、雰囲気も悪くなった
とうとう、飯があたらなかった男が、他の男を殴ってしまい、その男は死刑になった
3か月経つ頃には、大柄な男と、女だけになっていた
半年経つ頃には、大柄な男と痩せた女になっていた
大柄な男は、ここに居ることが我慢できなくなり、女に飯を与えなくなった
しばらくして、女は死んだ
約束通り、大柄な男は無罪になった
しかし、出口には細工がしてあった
一人では絶対に出られないようになっていたのだ
大柄な男は、そこで餓死した
♦
「研究結果です。本来なら全員均等に食事を分ければ一年後、全員無罪になったはずですが、料理を一皿にまとめる、最後の一人になるという条件を付けるだけで誰も助からなくなることが分かりました」
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