第65話 トンネルで

肝試しをしたいと言い出したのは誰だっただろうか




私たちは、使われなくなったトンネルの前に来ている




ツタに覆われたトンネルは、人が一人通れるくらいの狭いトンネルだ




昼間なら出口は見えるほどの長さだが、電灯もなく暗いため、どこまで続いているか分からない




4人なので、ペアになって入ることにした




懐中電灯はペアで一つだけだ




最初のペアが中に入る




電灯の明かりがゆらゆらと揺れているのがわかる




明かりが見えなくなったので、俺たちの番だ




トンネルに入ると、水はけが悪いのか水たまりができている




壁にそっと触れると、まるでスポンジのようにぐっしょりしていた




俺は懐中電灯を照らすと、前に進む




左手をそっと出すと、彼女もそっと握ってくれた




トンネルの終わりに差し掛かった時、急に手を振りほどかれた




どうしたのかとトンネルの中を照らすと、足元のツタで転んだのか、うずくまっている




「大丈夫か?」




俺がトンネルに戻ろうとすると、先にトンネルを抜けていた2人が引き留める




怪訝に思って転んだ彼女の足元をライトで照らすと、白い手が彼女の足首を掴んでいた


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