第22話 ペタペタと

こんにちは、山内花林です。





これは、友達がお姉さんから聞いた話です





友達のお姉さんは中学生で、部活で遅くなった時があったそうです





3階の音楽教室で、片づけをしていると、廊下をペタペタと歩く音がしたそうです





うち履きをかかとを踏みながら歩いた時の音らしいです





校内にはまだ部活をしている人もいるので、そこまで不思議ではありませんが、音楽室は3階の一番奥にあり、向かいには美術室があるだけです





音楽室に用が無ければ、美術室ですが、美術部は無いので、授業が無い今は鍵が閉まっているはずです





足音は、廊下をいったりきたりしていましたが、私が帰るころには聞こえなくなっていました





廊下を出ると、美術部の方に、何か落ちているのに気づきました





近寄ってみてみると、それは内履きズックでした





なぜこんなところに?と思っていると、反対側からズリッズリッと何かが這うような音がしました





嫌な予感がして近くの教室に逃げ込んで鍵を閉めました





すると、ズリッズリッ、ペタペタと廊下で音がします





教室の壁の下はすりガラスになっているので、何かが通ればわかります





ペタペタとすりガラスの向こうに見えるのは、内履きずっくを履いた足首でした





ヒッっと声を出してしまい、それに反応したのか、足首も止まりました





足首がこちらの方向を向いて止まっています





ふと、教室の上を見ると、中学生と思われる女の子の上半身だけが、壁の上から入り込もうとしていました





慌てて教室の鍵をあけ、飛び出したあと、わき目も振らずに帰ったそうです





家について、その話を母親にしたところ、昔、美術室から飛び降り自殺をした少女が、落下先のフェンスに当たり胴体が真っ二つになってしまったことがあったそうです

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