第6話 本屋で

こんにちは、山内花林です。




古本屋へ行った時の事です




その古本屋は、お世辞にも広いとは言えないお店で、棚が4列ほどでいっぱいになるほどの狭さです




夏休みの感想文になりそうな本を探していると、誰かが入ってきたような気配がしました




向かいの棚とこちらの棚は、隙間が少しだけ空いていて、そこから見えたのは黒のスーツでした




休日ということもあり、「休みの日に出勤するのは大変だな」くらいにしか思っていませんでした




私が本を見ていると、コツコツと靴でこちらのほうに歩いてくる音がします




通路も狭いので、よけようと本棚のほうに体を寄せました




すると、後ろを通り過ぎるときに、髪の毛を触られたような感触がしました




私は、気味が悪くなってその本屋では何も買わずにすぐ出ました




さっき触れられた場所を確認すると、べたっとする感触がありました




匂いを嗅いでみると、ノリの様でした




帰り道に公園があるので、公園のトイレで洗い落とそうと思いました




髪を拭いて帰ろうと思った時、鏡ごしに、背中に紙のようなものが見えました




私の背中に、「逝ってください」という紙がノリで張り付けられていました


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