第15話

すると細いすりガラスの前を何かが横切った。


小さな人影。


間違いない。あの少女だ。


雨宮は玄関の戸を開けた。


するとあの少女がちょこんと立っていた。


少女は雨宮を見ると中に入ってきて、雨宮に抱きついた。


まるで幼子が父親に甘えるように。


雨宮もその少女を抱きしめた。


すると不意になにかが家に入って来た。


雨宮は視線を上げた。


そこには女がいた。


見た目は女だ。


しかし普通の女とはまるで違っていた。


時代劇で見るような服を着たその女の身長は二メートル以上あった。


おまけに肌の色がペンキでも塗りたくったかのように真っ青だ。


そした頭からは牛の角のようなものが二本生えていた。


女が言った。


「やっと見つけた」


雨宮はあまりのことに固まってしまったが、少女は反応した。


雨宮から離れて女に抱きついた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る