勝負の行方
「キャー!!!!! カッコイィィ!!」
「湊さま~! 蒼さま~!
頑張ってぇーー!!!」
「あ”ー! 耳壊れるわっ!!」
「渚~、あんたの幼馴染大人気じゃーん?
それに、今日は蒼くんもいるんだから、
皆が騒ぐのも無理ないじゃん!」
「そーだけど~......むー」
「なぁに~? 自分の幼馴染がモテるからって拗ねてるの~?」
「べ、べ、別に拗ねてなんかないし!」
「え~、そう?
じゃあ私、湊くん狙っちゃおうかな~。」
「どうぞ~、ってえぇぇぇぇ?!!」
「うそうそっ! どっちも格好いいけど、私はアツい体育会系の湊くんより、爽やかセクシー系の蒼くん派だし」
渚たちが恋バナに花を咲かせているころ......湊と蒼は体育の試合レベルではない勝負をしていた
「今日は、ぜってぇ勝つ!!」
「イヤー♡ みなちゃん本気じゃない!
でーもー、フォワードのみなちゃんはここにはお呼びでないのよ~。......俺も、本気だからな、湊」
「フンっ! やっと本性を表したな、かかってこいよ! フォワードだからってディフェンスできないと思うなよ!」
「さぁ、どうかしらね~、行くわよ~!!」
「キャー!!!!
湊さまと蒼さまの真剣勝負よ~!!!」
「どっち応援していいか、わかんなぁーい!」
「......甘いな、湊! 今日は俺の勝ちだ!!」
「っマジかよ?!」
「キャー!!! 蒼さまが抜いたわ~!!」
「えっウソ?! 湊は?!」
「ゴールキーパーさん、ごめんなさいねぇ~♡
行くわよ~、エイッ!!」
「させるかっ!!」
「エッ!!どっから湧いて出たのよ~!」
「甘いんだよ、蒼!」
ピッピッッピー!!!!!!!
「キャー!!!
湊さまのゴールで1組の勝ちよ~!!」
「やったぁ! 湊ナイスシュート!!」
「なーぎーさー?」
「あ、いや、これは違くて......アハハハ......」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「まさか、振り切らせたのがフェイントだったとはね~。今回は完敗よ......」
「これで? 24勝24敗1引き分けで振り出しに戻ったな!ところで、蒼。まさか、この後......」
「そうよぉ、お察しの通り!
だーかーらー、邪魔しないでネっ♡」
「はいはい、分かったよ。
じゃあ、放課後、報告待ってる。気を付けろよ」
「はぁーい♡ 心配してくれて、ありがとっ!!」
「はぁ? 別におネェの心配なんかしてねぇよ!」
「全くもうっ!素直じゃないんだからっ♡」
その日の放課後、生徒会室では前回セミメディ見習いたちが報告した件をセミメディが調べた結果の報告会が行われていた。正直なところ、俺は体育で全力を出してしまったので、不意に襲われる睡魔と闘っていた.......。だが、柚月が仁に報告をしていた時、眠気が一気に吹き飛んだ。
蒼と柚月の報告によれば、早弁をしていたのは早弁くんだけではなかったみたいだ。それから、昼休みには4人でチームを作って他のグループと一緒に楽しくバスケの試合をしていたらしい。
普通と言えば普通だが、俺の脳内センサーは普通だとは言っちゃくれない......。とりあえず、仁と蒼たちが話していることを聞いておくか......。
「分かった。柚月、報告ありがとう。
蒼、何か他に気になる点はあったか?」
「そぉねぇ~、ボス。ゆづちゃんの言う通り、早弁は早弁くんだけじゃなかったし、これと言って気になる点はないんだけど......なーんか引っ掛かるのよねぇ~」
「おい、おネェ、それってもしかして......」
「そう! 多分眠そうなみなちゃんのお察しの通りよ。細かいことだけど、仲良し4人組ってところが気になるのよ。バスケは普通5人でチームを作るじゃない? でもー、早弁くんのチームは4人。相手は5人チームだったし、体育祭も近いんだから、あと1人集めてチームを作っても良いんじゃないと思ったのよ......」
「考えすぎなのでは?
まだ彼らは1年生ですし、仲の良い子だけで集まりたい時期でしょう?」
「うーん、そうねぇ。
うぐいすの言う通り考えすぎであってほしいんだけど......」
「柚月、αから報告は何もないのか?」
「ボス、その件なのですが、
あの後からαと全く連絡が取れない状態なんです」
「そうか......」
「とりあえず、経過観察を続けてみたらどうでしょうか? 俺は早弁くんたちと同じ校舎なのでマークしておきます」
「......そうねっ、ありがと! じゃあ、ゆづちゃんは引き続きお願いネっ♡」
「ラジャーです!」
「じゃあ、以上で解散! みんな、励めよ~」
「ぉぃっ、おいっ! おネェ待てよっ!」
「あら、みなちゃんどうしたの?
あたしとデートしたくなっちゃった? うれしー♡」
「はぁ?! 誰がおネェとデートするかっ!」
「あら違うの~? ざんねーん」
「蒼、お前もαを疑ってるだろ?」
「やっぱり、湊にはお見通しだったのか。
柚月言っていた通り、あれからαからの報告がない。何かおかしいと思って、お前との勝負の後、体育館裏や観客席を見て回ってたんだ。そうしたら、αが最前列の観客席の影に隠れて、早弁くんたちがバスケをしてるところをじっと睨んで見てたんだ」
「おいっ! それなんでさっき報告しなかったんだよ!」
「αが何をしようとしていたのか、まだ分かんなかったんだよ! それに!......っなんでもない」
「はぁ?! なんだよ?!」
ガシッ!!
「まぁまぁ、二人でそう熱くなるな~」
「ボスっ!!!」
「シーッ!ボスじゃなくて、氷室先生、だろ?
ここは生徒会室じゃない、廊下だ。まぁ、とにかく、俺も早弁くんたちのことは気になってた。だから、俺も早弁くんたちとαをマークするつもりだ。でも、そうだな。いい機会だし、今回俺は全面的にサポートに回る。蒼と湊、二人でバディを組んで早弁くんたちとαの動向を探り、どんな目的でαが何をしようとしているのかを探って、早急に解決しろ」
「はい!」
「ん、励めよ」
............ん?
「あ”ーー!!!」
「何よ、いきなり大声出して!」
「また仁に聞きそびれた......
ま、これが解決したらでいっか」
「......んー、みなちゃんってやっぱり、
ボスのこと大好きねっ♡」
「......あんなおっさん、勘弁してくれ.....。
俺は可愛い女の子が好みなんだよっ!!」
「ハァックション! んー、風邪でも引いたか?
今日は長めに風呂入って、さっさと寝るか~......」
To be continue
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