第133話 下級神 サンガ

ソ「殺す殺す殺すぅ!」


ラ「あなた、それしか言えないのかしら? いい加減うるさいだけなのだけど。」


ソ「うるせぇ! 死ね!」


ラ「どっちが!」




ソンネイロンが繰り出す攻撃は、すべてラヴィに当たることは無かった。また、魔法を繰り出すもラヴィの方が魔力が高く、ダメージを与えることは出来ていない。




ラ「ヴェリーヌはこの程度の者で私を止めれると思っているのかしら? 光の剣。」




ソンネイロンの攻撃を躱し、その背に光の剣を穿つ。ソンネイロンに6億ダメージ。ソンネイロンはその威力で地面に叩きつけられ、クレーターの様に地面が割れる。次の攻撃を食らわないようにそのまま地面下に透過して潜り込む。ラヴィは真下からの攻撃を避けるために飛行し、あたりを探る。




ラ「回復するまで逃げるつもりかしら? 見かけに寄らず、弱虫なのね。」


ソ「なんだと貴様ぁ!」




ソンネイロンはあっさりとラヴィの挑発に乗り、地面から飛び出す。そして、いつの間に取り出したのかナイフを突き出してくる。当然、その程度の攻撃がラヴィに当たるわけもなく、再びソンネイロンに攻撃を当てようとするラヴィだが、嫌な予感がしたので離れる。




ソ「ほぅ、良く避けたな? まあ、当たっても当たらなくてもどちらでもよかったんだが。」


ラ「何を……言っているのかしら?」




そう言いつつも、さっきまでとは違う空気が周りを満たしているかのようで、気が落ち着かない。そして、最後の仕上げと言わんばかりに、ソンネイロンは自分の足元にナイフを突き刺す。




ソ「これで完成だ。憎悪の檻!」




ソンネイロンの姿が砕け散り、それがラヴィの周りの空間を飛び回る。ラヴィの周りに円に近い結界が張られた。




ラ「……時間稼ぎのつもりかしら?」


ソ「俺じゃお前に勝てないのは百も承知だ。だから、時間を稼がせてもらう。もうすぐ来るぞ、お前らなんかより強い奴がな!」


ラ「肉片の分際でどこでしゃべっているのかしら。」




ラヴィは結界を試しにカードで攻撃してみるが、結界に触れる前に攻撃が止まる。ヴェリーヌの張った結界ほどではないにしろ、今すぐ脱出できる程の弱さではないようだ。本当であれば、ラヴィがソンネイロンを倒し、すぐに他の2人を助けに行ければよかったのだが、今の状況ではそれも出来ない。ケルベロとワルキューレも、すぐにやられてしまうという事は無いだろうけど、もともとあてにできなかった援軍を当てるにする事になりそうだ。




ラ「さて、さっさと脱出させてもらうわ。」


ソ「お前には無理だぁ! 諦めろぉ。」




ラヴィは再びソンネイロンの結界に向かって攻撃を始めたが、やはり攻撃が届く様子もない。蹴り飛ばしたい衝動に駆られるが、自らの肉体で攻撃した場合、カードと同様に空間に囚われてしまう可能性があるため、試すことも出来ない。どうしようかと思っていると、どこからか声が聞こえた。




サ「お困りですかピョン?」




そのふざけた喋り方とは裏腹に、格上だと分かる程のプレッシャーがソンネイロンに圧し掛かる。そして、そのプレッシャーに負けたのか、ソンネイロンは結界を解除させられ、地面に這いつくばる。そこには、小学生の様な外見の神が浮かんでいた。その頭には、うさ耳のカチューシャを付けている。




ソ「結界がぁ! 殺す!」


サ「ああ、僕に攻撃しないでピョン。僕も攻撃しないから。僕って攻撃力100万しかないんだピョン。」




サンガ(下級神):HP100億、MP90億、攻撃力100万、防御力50億、素早さ20億、魔力20億、スキル:???




サンガはソンネイロンの攻撃を無防備で受けるが、ダメージは0だ。




ラ「まさか、本当に援軍に来てもらえるとは思いませんでした、サンガ様。……ただ、その語尾は止めてもらえませんか?」


サ「居るのがラヴィちゃんだと分かったからね、ちょっとふざけただけじゃん。それに、結界と言われたら僕の出番でしょ?」




サンガは結界神とも呼ばれる下級神で、ほとんどの封印や結界を解くことができるが、人目に触れるのを嫌がりめったに神界から出ることは無い事で知られている。また、ウサギ好きでも知られているかもしれない。




サ「だから、ついでにこの星の結界も解除しておいたよ。こいつをさっさと片付けて、助けに行ったらどうだい?」


ラ「ありがとうございます。」




ラヴィはトランプカードを空中に円状に浮かべ、這いつくばったままのソンネイロンに撃ちだす。ソンネイロンに9億ダメージ×52。全身にトランプが刺さったソンネイロンは消滅し、コアになった。そして、ラヴィはすぐにワルキューレ達の元へ転移した。




サ「もう、コアくらい片付けてから行けばいいのに。僕も行こうっと。」




サンガはソンネイロンのコアを拾うと、ラヴィ同様に転移した。


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