第39話 閑話 VSメデューサ

ラ「これは、まずいことになったわね。」




私は、有休をとって最近起こっている不可解な事の調査をする為に魔界に来た。


魔界で起こった勇者と魔王の戦いは、勇者の勝利に終わった。しかし、魔王の部下が暴走し、封印されていた邪神を解き放ったらしい。らしいというのは、邪神の封印されていた祠が消滅し、跡形も残っていないから。最悪のケースを考えて、封印が解かれたと考えられている。




魔王の残党の一部がビジネスホテルに現れたと、ケルベロから報告を受けている。念のために隠密にダンジョンを監視させていたワルキューレは、悪魔との戦闘がばれたみたいだけど・・。バレてしまっては仕方がないと、サポートと称してダンジョンに出入りし、監視を続けてもらう。これ以上何も起こらなければいいのだけれど。そう思っていると、何かが転移してきたようだ。




メ「久しぶりだな!ラヴィ!」


ラ「久しぶりね、メデューサ、復活したのかしら?」




メデューサは大昔、女神と悪魔の戦争で、私が倒した。その頃は、コアにするという封印も無かったため、復活を許してしまったようだ。


メデューサにバレない様に鑑定をかける。




メデューサ(悪魔):HP800000、MP650000、攻撃力180000、防御力120000、素早さ190000、魔力80000、スキル:透明化、千里眼、蘇生、物理耐性(大)、魔法耐性(大)、HP自動回復(大)、MP自動回復(大)、飛行、転移魔法、闇魔法(8)、石化




やっかいなレベルになってるわね。昔、倒したときはこの10分の1くらいのステータスだったはず。いつの間にかステータスを上げたようね。今の私の敵ではないが、他の者にとっては脅威となる強さだ。




さっさと片付けてしまおうと、私は右手にカードを取り出す。カードは、私の暗器で攻撃力は5千万だけど、見た目はただのカードだ。




メ「おっと、早まるなよ。今回は戦いに来たわけじゃない。まだお前には勝てないからな。」


ラ「私に倒された仕返しに来たわけではないと?それに、まだって言ったわね?」


メ「そうさ、気が付いていると思うが、邪神様が復活されたのさ!」




確信は無かったけれど、やはり邪神は蘇ったらしいわね。




ラ「それで?あなたに何の関係が?」


メ「くっくっく、聞いて驚くなよ?邪神様の力があれば、昔の100倍は強くなれる!」




そういえば、この子は鑑定を持っていない。おそらく私が女神ランクⅣだった時の基準で話しているわね。丁度いいわ、このまま情報を頂きましょう。




ラ「あら、これ以上強くなるの?その前に、また倒してあげましょうか?」


メ「今でもまだ簡単に負ける気はないが、これを見ろ。」


ラ「それは、コアね?どこで手に入れたの?」




女神が作るコアと違って、メデューサが持っているコアは真っ黒だ。




メ「これは、女神のコアさ!」


ラ「女神のコアですって!?」


メ「邪神様の力で、封印してある。これを砕けば・・。」




メデューサは右手の親指と人差し指で潰し始める。




ラ「やめなさい!」




私は、一瞬だけ時間を止めると、メデューサからコアを奪い取った。




メ「お前より強く・・あれ?コアはどこいった?」




メデューサは急に指からコアの感触が消えた事に困惑している。




ラ「これは、どうすれば元に戻るの?」




私は、コアを見せながら、メデューサをにらみつける。威圧スキルを使うと、メデューサは実力差に気が付いたのか、脂汗を流しながら後ずさる。




メ「待て、戻し方は知らないが、取引しようじゃないか。おぉ、助けに来てくれたのか!」




メデューサは私の後ろを指さす。まったく気配はないけれど、一応振り向く。




メ「ばかめ!石化しろ!」




メデューサの頭の蛇の目から、石化効果のある光が照射される。当然、その程度の事は予想出来ていたので、カードを複数枚展開し、盾代わりにして防ぐ。メデューサはその隙に、転移を使用した。




ラ「逃がすわけ無いでしょう?」




私は、メデューサの首をカードで切り裂いた。耐性無効、クリティカル発生、メデューサに2079736000ダメージ。私は、コアにしたメデューサと、黒い女神のコアをアイテムボックスにしまうと、転移で帰還した。







ラ「はじまる様、ご報告が。」




は「どうした?お前ともあろうものが慌てて。」




私は、魔界で調べたことを報告した。




ラ「これを見てください。」




私は、アイテムボックスからメデューサのコアと、女神のコアを取り出した。




は「悪魔のコアと、この黒いのは何じゃ?」




やはり、はじまる様も知らないのか、じっくりとコアを見ている。




ラ「メデューサが持っていました。その話では、邪神が封印した女神のコアだそうです。」


は「女神のコアじゃと?少し調べてみるか。」




はじまる様は、女神のコアをアイテムボックスにしまう。




ラ「ところで、メデューサのコアの方はどうしますか?」


は「何か使い道があるかもしれん、しばらくラヴィが預かっていてくれ。」


ラ「わかりました。」




私はメデューサのコアを再びアイテムボックスにしまうと、転移で他の場所の調査へ向かった。




は「おかしい。邪神の気配が全くせん。」




そもそも、邪神の封印が魔王の残党ごときに破れるわけがない。しかし、祠が結界ごと消滅したならば、これには神が関わっているはずじゃ。いくら巧妙に隠そうとも、邪神の封印が解かれたのならわしには気配が分かる。逆に、次元を全て把握できるわし以外には分からんかもしれんが。




どちらにしろ、調査とこの黒いコアの解析が優先だな。女神が封印されているなら、助けてやらねばなるまい。わしは食堂に臨時休業の札をかけると、神界に転移した。







ラヴィが去ったとき、魔界では




ベ「行ったか。気づかれなかったようだな。メデューサのアホが叫んだのにはびっくりしたが。」




ベルゼブブ(悪魔):HP600億、MP550億、攻撃力70億、防御力32億、素早さ90億、魔力70億、スキル:???




ベ「仮に戦っても女神ごときなんとでもなるが、あのコアを持ち帰ってもらわないと困るからな。」




メデューサを復活させた後、パワーアップしてやった。それをコアのおかげと嘘を教え、ラヴィの前で女神のコアを割るように指示した。実際は、割ろうと思っても割れないが、逆に信ぴょう性が出ただろう。女神のコアと偽ったコアの封印を解いてもらおうか。あいつの封印を解けるのはあいつ以上の神だけだからな。




ベ「さて、誤魔化すための邪神作りでも始めるかな?」




魔神カイザーのコアを取り出すと、邪神カイザーとすべく改造を加えていく。あいつが戻ってくるまでの時間稼ぎだ。


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