第38話 アヌビスVSフェンリル(笑)

そして4階、でましたヌシ。見た目は4mくらいの水色の狼。吐く息は白い。弥生の検定結果を見ると、まず俺達が勝てない敵だ。




フェンリル(神獣):HP7000、MP1000、攻撃力400、防御力300、素早さ400、魔力200、スキル:水魔法(8)




ア「初陣じゃ、我に任せるのじゃ!」




アヌビスはフェンリルに向かって行った。フェンリルはなんか水魔法ででかい水の球とか、水圧のカッターで縦横無尽に切り裂いていたけど、魔力の高いアヌビスにはダメージを与えることができなかった。




ア「食らうのじゃ、闇の球!」




杖の先から、真っ黒な球が飛び出すと、フェンリルに当たった。フェンリルに800ダメージ。




アヌビスとフェンリルは、遠距離で魔法を撃ち合っていたが、フェンリルは無駄を悟ったのか、最後の方は噛みついたり、ひっかいたりもしていたけど、0ダメージで、悲しそうな声を上げていたが、あっさりと倒された。




出たコアは、「さすがにこれは没収します!」とメィルが回収していった。強ければズルも許される・・のか?ラヴィ様が来た時にでも聞いてみよう。アヌビスはそのまま「ふんぬおぉぉー。」とダンジョンを突っ走っていった。俺はコア回収用のケルベロスを数体作り、アヌビスを追わせた。




ヤ「源さん!見てください!どうですか?」




弥生は暇だったのか、変化を試していた。ライカンスロープのコアを食べたからか、全裸に近いけど、大事なところは毛で守られている、見た目がフェリ〇アみたいになっていた。あっちは猫でこっちは狼だけど。




レ「ワーウルフってやつか?どんな感じだ?」




ワーウルフって人狼なのか、狼男なのか。狼女って聞かないからワーウルフでいいや。




ヤ「ステータスは変わりませんが、筋力が変わるのか、いつもより高く飛んだり、爪でリーチが伸びたりします!」




ふむ、身体能力の向上か。とうとう人間をやめたな、弥生!弥生は4つ足で走ったり、シュシュッと爪で突く練習をしたりしている。そんな感じで過ごしている間に、ケルベロスがコアを集めてきてくれた。俺はその間何をしていたかと言うと、地道に分裂体の塊を作っては山にしていった。MP自動回復で効率が良くなったな。これを弥生が手裏剣にしてアイテムボックスにストックとして貯める。




ワ「お前たち、少し楽をしすぎではないか?」




そういうワルキューレも暇なのか、槍を磨いたり、トランプタワーを作ったりしていたじゃないか。


ワルキューレの苦言に「今度からがんばります。」と答えて4階層をクリアした。




とりあえずビジネスホテルに行こうと、受付に居たメィルに話しかけた。




レ「今日はこれでホテルに行こうと思うんだけど、メィルはどうする?」


メ「私は、17時の交代要員が来るまで受付だよ!その後はアフターファイブを楽しむよ!」


ヤ「では、メィルちゃんはホテルには来ないんですか?」


メ「うん、今日は別行動にするよ、お姉ちゃん!」




メィルは手を振って俺達を見送った。俺達はビジネスホテルに戻り、晩飯までまだ時間があるので弥生と卓球をした。最初は温泉卓球で鍛えた俺が勝っていたが、途中でワーウルフに変化すると、明らかに動体視力、反応速度が上がっているようで、ボロ負けした。




ワルキューレとアヌビスにはステータス的に絶対勝てないので勝負は挑んでいない。ワルキューレとアヌビスはオセロをしているようだ。ほどほどの時間になったので、晩飯を食べることにした。




アヌビスはコーラが気に入ったのか、コーラとポテトとハンバーガーを注文し、俺は串カツ、弥生は刺身定食を注文した。ワルキューレは飲み物だけでいいと、紅茶を注文していた。ダイエットでもしているのか?




即座にケルベロちゃんが現れて「おかもち」からテーブルに食事並べられると、「いただきます!」と食べ始める。食事が終わり、食器を片付けると、ワルキューレと弥生は部屋に戻った。




レ「アヌビスはどうする?風呂に入ったことはあるか?」


ア「風呂とは湯浴みの事かの?我は基本的に朝に入っていたのじゃ。夜は暗くて見えないのでな。」




電気の無い生活は大変だなと、俺は一人で風呂に入る。しばらくして頭を洗っていると、暇になったのかアヌビスが裸で入ってきた。




ア「やっぱり我も入るぞ!それ!」


レ「飛び込むな!それに女性が一緒に入るもんじゃないぞ!」


ア「そうなのか?我の星では男女一緒に入っていたのじゃが?」




文化の違いか、単なるアヌビスの感覚なのか、見た目同様子供になったからなのか・・。俺は結婚すらしていなので、子供もいないが、もし子供が居たらこんなかんじなのだろうか。俺は自分の頭を流し終えると、アヌビスを呼んで頭を洗ってやった。犬耳もしっかり洗ってやるとくすぐったそうに頭をゆらす。後ろを向かせて尻尾を洗っていると、くすぐったさが勝ったのか、ジャンプし始めた。




レ「おい、あまり動くな、すべるぞ?」




俺の注意がフラグになったのか、アヌビスはツルッと足を滑らせると後頭部から倒れてきた。クリティカル発生、零に124ダメージ。お約束で股間に頭突きを加えてきやがった。ダメージはあったが継続ダメージがないのが救いか・・。




その後、アヌビスのツルペタボディもボディソープで洗ってやった。犬尻尾の掴み具合が気持ちよかった。こう見ると、単なる犬の獣人だな。アヌビスと湯船でゆっくり浸かっていると、アヌビスがうつらうつらとしてきたので、慌てて風呂からあがり、体を拭くと、バスローブを着させてイスに座らせる。一応、ドライヤーもあるから、犬耳に気を付けながら、髪を乾かしてやる。




完全に眠ってしまったアヌビスを抱きかかえると、ベッドに連れて行って寝かせた。歯磨きをさせていないが、虫歯になったとして、この世界だとどういう扱いになるんだろうな?とりあえず起きたら磨かせるか。俺は歯磨きを終えて、やることも無いから早めに寝た。


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