生徒会書記 小柳橋笑舞

「お疲れ」

 卒業式に向けた関係各所とのリモート会議を終えたワタシに颯はお汁粉を差し入れてくれました。

「給湯室で何をしているのかと思ったらこれを作っていたの?」

「会議の連続でそろそろ笑舞の腹の虫が鳴りそうだと思ったんだが、違った?」

 颯の問いに答えるかのようにタイミングよくワタシの腹の虫は鳴きだし、颯だけでなくワタシと共にリモート会議に参加していたナナにまで笑われてしまいました。

「ナナもお汁粉食べるだろ?」

「ありがとう。いただこうかな」

 美沙先輩が生徒会を卒業して以降、生徒会のおやつ担当は颯と恵吾くんの男子二名が担当することになっていました。

「やっぱり颯の作るお汁粉は絶品ね」

「うん。颯くんも恵吾くんもナナよりお菓子作り上手だよね」

「オレは二人が作る好きだけどな」

ね」

「えぇ~!? だよぉ!」

 会議を終えて一息つくつもりだったワタシたちはいつの間にかの正しい呼び名について討論を始めてしまいました。



 卒業式まで残り5日。

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