れいぎただしさ
「以上が書記という役職の全てになります。何か質問は?」
「今お話しくださった中で説明がなかったのですが、笑舞先輩が行っていたという明才新聞のコラムに関してですが、書記として僕がその業務を引き継ぐという形で良いのでしょうか?」
僕は笑舞先輩から書記という役職についての説明を1から10までキッチリとメモしながら抱いた疑問を投げかけました。
「明才新聞のコラムに関してですが、来月以降は現時点で報道部からの依頼が無いので説明は省かせていただきました。仮に行うとしてもワタシかナナが行うかと」
「大変ではないですか?」
「ナナはともかく、ワタシはこの一年の経験があるので」
「もし、報道部から依頼があったらその仕事を僕に任せてもらうことは出来ないでしょうか?」
僕がそう告げると笑舞先輩は不思議そうに僕を見つめました。
「理由をお伺いしても良いでしょうか?」
「えっと、僕は笑舞先輩や七海先輩、他の役員さんとは違って特別スクーリング制度を利用しているので皆さんよりも多くの時間を生徒会の活動に費やすことが出来ます。美沙先輩から笑舞先輩がこれから務めることになる副会長の業務が非常に忙しい業務であることは聞いていますので……もし……笑舞先輩のお手を煩わせるようなら僕が引き受けようかと……思いまして」
あまり慣れない長尺の喋りに僕は息切れをしてしまいましたが、何とか言い切ることが出来ました。
「ワタシの手を煩わせるほどの仕事ではありませんが、恵吾さんがそうおっしゃるのでしたら、一度ナナと検討しようと思います。もちろん、報道部から依頼が来てからになりますが」
「よろしくお願いします」
「美沙先輩から話は聞いていましたが、恵吾さんは本当に礼儀正しい方ですね。これから一年生徒会として共に過ごしていくのが楽しみです」
笑舞先輩は僕をそう評価して微笑みを向けてくださいました。
生徒会議事録
最後の一人は恵吾か。良かったな。 芹沢
自分が当選しても涙を流した事は無かったのに。 明日香
こんなに嬉しいのは三年振りくらいだよ。 美紗
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