おおきなこえでありがとう
「ミササ、どう?!」
「数学以外も上出来。ユズリンには花丸を上げないとね」
ユズリンに課していた課題の採点を終えた美沙は一年前では到底考えられなかった正答率の高さに大きな花丸を咲かせました。
「おっ! 柚鈴、花丸貰ったのか。良かったな」
「クンクン! このにおい、お肉の予感!」
「キッチリ密閉されているはずなのによく分かったな。ほら、差し入れだ」
海はそう言うとユズリンに大きな器の入ったビニール袋を手渡しました。
「わぁ! カツ丼だ!」
「随分と大きいけど、ダブルカツ丼? にしては、サイズが大きいような」
「ダブルダブルカツ丼……とか言っていた気がする。学食で柚鈴に差し入れするからってカツ丼を頼んだら学食のおばちゃんたちがサービスしてくれた」
「学食のおばちゃんたち、ありがとー!」
きっとユズリンの感謝は学食で働いているおばちゃんたちに伝わったことでしょう。だって、美沙と海の耳がビリビリするくらいの大声で叫んだのですから。
生徒会議事録
柚鈴先輩、学食で大声を出していましたか? 笑舞
ナナは学食に居たけど柚鈴先輩は見てないよ。声は聞こえたけど。 七海
体育館に居た私の所まで聞こえていたけれど。 明日香
生徒会室から学食や体育館までって、結構距離あるよな? 芹沢
流石ユズリン。本当に流石だよ。 美紗
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