もみかえし

「いったぁぁぁ!」

 今日の会長は、少し身体を動かすたびに苦痛を孕んだ声を出していました。

「今日は随分と身体が痛そうですが、お怪我でもされたのですか?」

「怪我じゃなくて、揉み返しが来たみたいでな」

「揉み返しですか。どこで受けたマッサージですか?」

「場所は俺の家だが、マッサージをしてくれたのは……」

 会長が痛みに耐えながら顔を動かして向けた視線の先には美沙先輩と明日香先輩が居て、その二人はあからさまに視線を逸らしていました。

「お二人には申し訳ないですが、良いマッサージ店を知っているのでご紹介しましょうか?」

「そうだな、お願いするかな」

 僅かに悩んでそう返答した会長は真っ直ぐワタシの瞳を見つめていました。



生徒会議事録

 昨日はごめんね。強く押し過ぎたかも。 美紗

 ズルいなー! ワタシも呼んでくれればよかったのに! 柚鈴

 柚鈴も呼ばなかったこと、今になって後悔しているよ。 芹沢

 柚鈴先輩マッサージ上手ですからね。 七海

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