できるおとこ
「待たせたか?」
待ち合わせの時間よりは早く着いたはずの俺だったが、そんな俺よりも早く待ち合わせ相手である颯が待ち合わせ場所で待っていた。
「会長! 急に呼び出してしまってすいません」
「別に構わないが、俺で良かったのか?」
俺が颯に呼び出された理由は笑舞に渡すお礼を一緒に選んで欲しいからだった。しかし、俺なんかより笑舞のことをわかっている人など明才高校には大勢いるはずなのだが……。
「会長じゃなきゃダメなんですよ。オレと同じくらい笑舞のことを知っている男子は会長くらいしかいないんですから」
「そうか? 他にも……」
そう言いかけて、笑舞が颯や俺以外の男性と話している姿を見かけたことがほとんどないことを思い出した。
「そういう事なら仕方がないな。俺では役不足かもしれないが」
「会長は頼りになりますよ。笑舞が言っていたので間違いありません」
「ほう、それは嬉しいことを言ってくれるじゃないか」
涼しい顔でそう返した俺だったが、笑舞が俺の知らぬところでそう評価してくれていると知り内心とても嬉しく感じた。
笑舞 「今日は颯の買い物にお付き合いいただいたようで」
笑舞 「貴重なお時間を頂戴してしまい申し訳ありません」
海 「気にするな」
海 「俺の意思で行っただけだから」
笑舞 「そういう事にさせていただきます」
海 「ところで」
海 「颯から受け取ったか?」
笑舞 「とても素敵なネックレスを」
笑舞 「会長のお力添えのおかげでしょうか?」
海 「俺はただ見ていただけだ」
海 「素敵な女性を虜に出来る男の手本を」
笑舞 「会長は学ぶまでもなくこなせているかと」
海 「それは流石に無いだろ」
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