やきゅう

 明才高等学校のグラウンドに軽快な金属音が鳴り響きました。

「回れー!」

 会長の叫び声と共にツーカイにレボリューション出来そうな音楽が吹奏楽部の生演奏で流れ出し、一塁に居た明日香先輩、二塁に居た美沙先輩、三塁に居た千景さん、そして打席に立っていた柚鈴先輩が一斉に走り出しました。

「ただいま戻ったよ」

 最初に戻ってきた千景先輩は涼しい顔でそう言いました。

「勝利ツーカイ! ヨホホーイ」

 次に帰って来た美沙先輩は楽しんでこそいましたが、息が上がっているようでした。

「明らかにホームランだったのだからゆっくり歩いてくれば良かったでしょう?」

「ホームランでも走らなきゃ、相手に失礼だよ!」

 ほぼ同時にホームベースへ帰ってきた明日香先輩と柚鈴先輩は仲良くケンカしていました。

「先輩方、余韻に浸っている暇はありません。紗綾先輩のチームが既に整列しています。ワタシたちも急ぎましょう」

 紗綾先輩に誘われて急遽行われることになった紗綾先輩率いる『チームさぁ、やってみよう!』対『チーム生徒会(OG含む)』の野球大会はワタシたち『チーム生徒会(OG含む)』の逆転サヨナラ満塁ホームランによる大勝利となりました。



生徒会議事録

 相当、エキサイトしたな。 芹沢

 はい、ナナすごく高まりました。 七海

 私はスタンド席で見ていましたが、本物の野球を見ているかのような白熱した試合でした。 小雨

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