えまのたんじょうび
「笑舞、少し持つよ」
「ありがとうございます。まさか、こんなにも誕生日を祝ってくれる方がいるなんて」
両手いっぱいに持ちきれないほどの誕生日プレゼントを抱えたワタシは少しだけ颯に持ってもらいながら駅へ向かって歩いていました。
「これだけあったら、どれが誰からのプレゼントなのかわからないよな」
「そんな事はありませんよ」
例えば、コスメポーチは美沙先輩から、銀のイルカのネックレスは明日香先輩から、どこかの福引で当てたと思われる遊園地のペア招待券は柚鈴先輩から、このマグカップは……?
「やっと見つけた?」
「これって……」
そういえば、颯からはまだ誕生日プレゼントをもらっていませんでした。
「女の子に誕生日プレゼントなんて初めてだから悩んだけど、色々考えたから……さ」
「颯?」
いつもと違って颯の歯切れが悪いような気がしました。
「そ、そうだ! 今日は家まで送るよ。これだけの荷物を駅から家まで一人で持つのは大変だろう?」
「は、はい。ありがとう、ございます」
颯の様子がおかしかった理由は、颯からのプレゼントを開けるまでわかりませんでした。
笑舞 「お手紙、とても嬉しかったです」
颯 「マジごめん」
笑舞 「大切にします。颯の好きが溢れたお手紙」
颯 「見えない所に置いてくれ」
笑舞 「額縁に入れたいと思います」
颯 「頼むからそれだけはやめてくれ!」
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