らっぴんぐ
「これなんてどうだ?」
「良いのではないでしょうか」
ワタシと会長は明才高等学校近くの百円均一ショップへ買い出しに来ていました。
ただ、買い出しとは言ってもまもなく生徒会室の引っ越しを控えているため、引っ越しの際に荷物となる備品の買い出しはせず先日書いた寄せ書きのラッピングを会長と共に探していました。
「え~ ユウ的にそれはダサい気がする。それ選ぶくらいならこっちの方が良きじゃなぁ~い?」
ワタシと会長のプレゼントを選びなれていないコンビに対して指摘を行ったのは明才高等学校選挙管理委員会に所属する真白友利先輩でした。
「友利じゃないか。これじゃダサいのか?」
「かいちょちゃんが誰にプレゼント渡すのか分からないけどぉ~ 紅白はダサでしょ。でもでも、歌合戦出る系の人ならありっぽいかも」
「歌合戦出る系の人ではないが」
「でっしょ~ ならやっぱりコレ」
「では、これを三つ買って行くことにしましょう」
ワタシは真白先輩に勧められたラッピング用の包装紙を三つ手に取ろうとすると真白先輩に驚くほど力強く手首を掴まれました。
「笑舞ちゃんそれマ? マなの?」
「マ……というのは?」
「マジって意味だけど。プレゼント三つとも同じ包装紙は無いでしょ」
「そうなのですか?」
ワタシの知り得ないところでそのようなルールがあるのかと思い、会長に尋ねてみました。
「わからん。俺も三つ買うつもりでいた」
「しっかたないな~ ユウがいくつか選んであげるから、かいちょちゃんと笑舞ちゃんはその中から三つ選んで!」
呆れたようにそう言った真白先輩はワタシたちのために十数種類の包装紙をチョイスしてくれました。
「ユウは帰るから、あとは二人で選んでね。それとぉ~ 次からはミササかアッスー、七海ちゃん連れてきた方がいいよ。ユズリンはダメね。ユズリンも選ぶのへたくそ組だから。じゃね~」
ワタシと会長は最大限の感謝をしながら冬だというのにポケットの生地が半分ほど見えるくらい短いショートパンツを履いている真白先輩を見送りました。
美沙 「海が選んだとは思えないほど良いデザインを選んだね」
明日香 「デザインは良いけれど」
明日香 「色紙に書いた寄せ書きって包装紙で包むものなの?」
海 「それは……」
美沙 「今回はデザインが良いから許してあげようよ」
明日香 「美沙と笑舞さんに感謝しなさい」
海 「はい」
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