こころのそこからのえがお
「ようやく自分から話す気になったの?」
「あぁ、一人で考え込むのは無意味だってようやく気が付いたからな」
祝日をそれぞれの自宅でのんびりぬくぬくと過ごしていた美沙と明日香は海に呼び出されて海の自宅へ来ていました。
「二人とも気付いているとは思うけど、今年は母さんも父さんもこっちにはしばらく帰ってこられなくなったらしい」
「そうみたいね。お母さんに海のお母さんから連絡があったらしいわ」
「美沙も何となく気づいていたよ。だからあんな風に荒れていたんでしょ?」
美沙は全然責めるつもりはなかったけれど、海は美沙の言葉を聞いて申し訳なさそうな表情を見せました。
「あの時は本当にごめん。あと、ありがとう」
「それで、そんな事を言うためだけに私たちを呼んだわけ?」
「そんな訳無いだろ。本題はここからだ」
海はそう言うと千景先輩を真似るようにコホンと小さな咳払いをしました。
「正直に言って一人は寂しい。だから、たまにで良いからうちに来てくれ」
「はぁ、バカらしい。そんなのは当たり前でしょ」
「そうだよ。美沙も明日香も、ユズリンやナナちゃん、笑舞ちゃんだって呼べばすぐに来てくれるよ」
「フフッ、そういえばそうだったな。当たり前すぎて気が付かなかった」
今まで一人で色々な思いを抱えていた海はようやく抱えていたものを軽く出来たようで、美沙は久しぶりに心の底から笑顔になった海を見た気がしました。
柚鈴 「ミササとアッスーから聞いたよ!」
海 「何を?」
柚鈴 「二人を呼んでワタシ呼ばなかったでしょ!」
海 「あぁ、素直にごめん」
柚鈴 「二人と違って幼馴染じゃないけど!」
柚鈴 「同じ生徒会の仲間でしょ!
海 「もちろん」
海 「そうだ、土曜日来るか?」
柚鈴 「行く!」
海 「ナナと笑舞も誘っとく」
柚鈴 「オッケー!」
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