だてめがね
昨日とは違い、生徒会役員全員が揃った生徒会室で雑談を交えながら作業をしていたワタシたちですが普段とは異なる点が一ヶ所ありました。
「この光景は新鮮だね」
「よく考えれば、生徒会役員と顧問含めて七人全員が裸眼だものね」
「去年は千景先輩と為奈先輩が眼鏡だったからね」
普段のワタシたちと異なる点……それは、今日は全員が伊達眼鏡をかけているというところでした。
「ところで会長、ワタシたちはいつまでコレをかけ続ければ?」
「さぁな、美沙と柚鈴、明日香までもがノリノリみたいだからな」
ワタシと同じく巻き込まれた側の立場である会長はため息交じりの呆れ顔でそう言いました。
「眼鏡姿の笑舞は新鮮で可愛らしいと思うけど。も、もちろん海先輩の眼鏡姿も格好良いです」
ワタシの眼鏡姿を許可なく撮影するナナはついでを装って会長を褒めると、ワタシ越しに会長の眼鏡姿を写真に収めていました。
「お取込み中のところ申し訳ないですが、私の眼鏡は少し地味じゃないですか?」
「小雨ちゃん先生の眼鏡も似合っているよ! シルバーが!」
「柚鈴さんがそう言うのならそうなのでしょうね」
生徒会の中で最も嘘を吐くことが出来ない柚鈴先輩が言ったことで小雨先生は気分を良くして本来職員室でやるべき仕事を再開しました。
それに合わせてワタシたちも雑談という名の休憩を終えて、それぞれの作業を再開しました。
生徒会議事録
本当にこの眼鏡貰っていいのか? 芹沢
ミササとワタシからプレゼント! 柚鈴
元々は演劇部の備品だったんだけど、新調するからって貰って来たの。 美沙
ありがとうございます。大切に使います。 七海
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