ふつかまえ
「さぁ、今日も始めようか」
後期中間試験まで残り二日となり、一秒たりとも時間を無駄には出来ないと感じた美沙たちは今日も学校から直接海の自宅へ直行して勉強会を始めました。
「美沙が昨日見ていて意外だったのは、ユズリンの理解の速さなんだよね」
三人の解き終えたプリントの丸付けをしていた美沙は昨日の勉強会で気が付いた事を呟きました。
「本当!」
「ユズリンって、どんな競技もすぐに習得できちゃうでしょ? だからもともと覚えは早い方だと思うよ」
勉強会前の時点がほぼゼロからのスタートだったので解ける問題自体は多くはありませんでしたが、一度教えた問題と似た問題はほとんど間違えることはありませんでした。
「海と明日香は苦手分野の中で得意分野と苦手分野が出てきたかな」
海と明日香は似た者同士ではありましたが、海は化学と数2が得意で明日香は海の苦手な生物と数1が得意なようでした。
「海と明日香は手元にあるプリントが終わったら特に苦手な分野を重点的に復讐しようか」
そんなアドバイスをしている間に美沙は手元にあるプリントの丸付けが終わったので、三人が既に解いたプリントの問題文をこっそり書き換えて印刷しました。
昨日に比べてわからない箇所を教える回数が減ったように感じ始めた頃には外は真っ暗になっていました。
「今やっているプリントが終わったら今日は終わりにしようか」
美沙がそう言っても三人ともプリントに集中しているようで返答はありませんでした。
ふと、三人が解き終えたプリントを見てみると、昨日よりも長い時間勉強していたとはいえ三人とも昨日よりも多くのプリントを解いていて正答率も昨日以上に上がっていました。
美沙 今日もお疲れ様。
明日香 美沙もありがとう。
明日香 解説がわかりやすいから今までできなかった問題も解けるようになった。
海 本当にそうだな。ありがとう。
柚鈴 ミササが褒めてくれるからやる気が出て頑張れるよ!
美沙 三人が良ければだけど……。
美沙 明日はテスト前日だから今日より遅い時間まで勉強したいな。
海 俺は構わないぞ。なんなら泊っても良いぞ。
明日香 海、自分が何言っているのか分かっている?
柚鈴 勉強合宿! 面白そう!
美沙 今日の様子だったら三人とも明日は徹夜しそうだから良いかも。
美沙 美沙がタイムキープ出来るし。
明日香 美沙と柚鈴がそう言うなら。
海 決まりだな。明日もよろしく。
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