てあみのてぶくろ
「急に寒くなったな」
「まだ雪は積もらなさそうだけど、手袋とマフラーは必須だね」
「ミササの手袋、可愛いね」
「もしかして、手編みですか?」
美沙先輩の手元に置かれていた薄いピンクの毛糸で編まれた五本指の手袋を見て既製品では感じられない温かさを感じたワタシはそんな質問を投げかけてみました。
「去年の冬休みに千景先輩に教えてもらったの」
「手編みでそれほどのクオリティのものが作れるというのは流石ですね」
「美沙だけの力だったらここまで綺麗には出来ないから千景先輩にも手伝ってもらったけど」
「笑舞も手編みじゃないの?」
美沙先輩の手袋を見せられてしまってはワタシの手袋など見せられるようなものではないので見えないように膝の上に隠したつもりでしたが、ナナの位置からは見えてしまっていたようでした。
「笑舞ちゃんのも見せてよ!」
「柚鈴先輩の期待に沿えるかはわからないですが」
美沙先輩の手編みの手袋とは出来が違うので自信はありませんでしたが、ワタシは黄緑色の毛糸で編んだミトン型の手袋を机の上に出しました。
「笑舞ちゃんの手袋もミササの手袋に負けないくらい可愛いよ!」
「ありがとうございます」
「美沙先輩も、笑舞も手編みかぁ。ナナも手編みでやってみようかな?」
ナナは羨ましそうに美沙先輩とワタシの手袋を見つめてそう呟きました。
「美沙の家に毛糸がいっぱい余っているから機会があれば編み物教室やってみようか」
「それは良いですね。その時はワタシも家に余っている毛糸を持ってきます」
「ワタシもやってみたい!」
「面白そうだな。来月辺り時間を作ってやってみるか?」
「賛成です」
「賛成!」
会長の提案に生き生きと返事をする柚鈴先輩とナナの事を美沙先輩とワタシは優しく微笑みながら見つめました。
生徒会議事録
以前話していた校内の雪かきに関してですが、明日の放課後に行われる職員会議で正式に決定する予定なのでその結果に関しては明後日の生徒会で報告します。 小雨
よろしくお願いします。 芹沢
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