むかしといま
「じゃん」
「けん」
「ぽん!」
今日の生徒会室のごみ捨て当番だった美沙たち二年生組は燃やせるゴミの袋と燃やせないゴミの袋を校舎の外にあるゴミ集積場へ持って行く人を決めるためにじゃんけんをしていました。
「よしっ! 俺の勝ち。生徒会室の後片付けはやっておくからゴミ袋は頼んだ」
「仕方ないな~」
「ミササ~ 負けたんだからさっさと捨てに行くよ!」
一足先に燃やせないゴミの袋を持って生徒会室の外へ出ていたユズリンを追って美沙も燃やせるゴミの袋を持って行きました。
「そう言えば、ワタシのクラスの子が最近のミササが生き生きしているって言っていたよ!」
「美沙が? どうだろう?」
美沙自身はそんな自覚はありませんが、今の美沙を見てそう感じたのなら美沙は見られている通り生き生きとしているのでしょう。
「ねぇ、ミササから見たワタシはどう!」
「美沙から見たユズリンは当たり前ではあるけど、生徒会に入る前と生徒会に入った後で感じる印象が変わったよ」
「どんな風に!」
ユズリンは小さな子供のようにキラキラ輝く瞳で美沙を見つめていてその姿はさながらご主人に遊んでもらっている時の大型犬のようでした。
「生徒会に入る前のユズリンはどこの部活にも所属してはいないけどどこの部活でも活躍しているキラメキを持っていて、それでいて身長が高くてモデルさんみたいだから美沙とは別の世界にいると思っていたよ。でも、生徒会に入ってからは一人の女の子としてのユズリンを知って、本当は同じ世界にいる人だったんだって気付いたよ」
「それ、ワタシも同じ! ワタシもミササは生徒会って別の世界の人だと思ったけど、ワタシも生徒会に入ってミササと仲良くなって、楽しいって、生徒会に入って良かったって思った!」
力強くそう言うユズリンは美沙にとってとても大切な仲間で、とても大切な親友で、これからもずっと、ずっと一緒に居たいと思いました。
生徒会議事録
関川先輩が部活動新設届を職員室に貰いに行ったらしいとの情報を聞きました。 笑舞
なんか嫌な予感がするな。 芹沢
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます