第40話 結菜の披露宴2

無事に披露宴も終わり

結菜と俺は隙間が無いほどくつっい

て、マッタリしていた。


「光寿郎、ちょっと離れて

式も終わったんだし

婚姻届も書いたじゃん。

オレンジジュースさえ、

飲め無いし食べてないんだよ!

食わせろ‼」


結菜の前にはホテルに頼んで

食事、スイーツが並んでいた。


「じゃあちょっとだけな‼」


「うん。」

光寿郎の愛情をウザいくらい

感じていた結菜はε~ゞフー


結菜は食べるのをジッと見られる

のを嫌がるため光寿郎は珈琲を

飲む振りをして見つめる。


あの日の、夏帆のとのやり取りを

謝られたが、ヤッパリ引っかかる。

それは光寿郎の最大のミス


「恥ずかしい」

結菜には尖ったナイフのように

心はズタボロに切りつけられた。

いくら冗談でも、親友と彼氏から

笑われた事は許そうと思っても

トラウマになってしまう。


謝って結菜が許してくれても

結菜の傷は癒せない。


光寿郎は諦めて結菜の傷の

癒えるのを待つと決心していた。

又2人で外で楽しくランチに

行ける日を光寿郎は目標にしている。

心のキズは悲しいかな時間が薬。


あの日からずっと結菜は外食を

光寿郎とは出来なくなっている。

大食いの琴や、陽菜、雪菜他の

友達とか椿、会長、とにかく

光寿郎以外の人達とは食べに

行けるが光寿郎とは部屋の一室か

2人以外、人がいない所でしか

食事が出来ない。




“恥ずかしい“

そう言ったばかりに、後悔しても

しきれない。


恥ずかしいなんて思った事は

無いのに、その場盛り上げる為

つい口から出ただけだ。


珈琲を口にしながらも

寂しくなる。



そんなふうに時間を過ごして

いると友人達が大騒ぎ


バアアアァァァン

ドアが開き

《《光寿郎、大夢が大告白して

チン蹴りされながらプロポーズ

してるから見に、いや、

応援に行くぞ━━━━‼》》


ニヤニヤしながら晏慈が誘いに

来た‼


「祐輔はビデオ抱えて飛んで

行ったぞ行くぞー光寿郎」


俺は結菜と居たかったが

結菜がイケイケと顎でクイクイ

するんで晏慈に付いて行った。


友人達はヤイノヤイノ騒ぎ立て

面白がっていたが

ん?大夢の様子がオカシイ?


「フ、フランスにいくのか?」

話を繋ぐと

パティシエを目指す雪菜は修行で

フランス行きを勧められ

悩んでいて、大夢に相談しようと

したが今日の大夢の態度で

決めかねていた事がブッ飛んで

フランス行きを決めたらしい。


帰って来るのは10年後‼


今更大夢は青くなり引き止めて

いたようだ。

そしたらエレベーターに乗る時

股間をかなりキツ目に蹴り挙げ

られ、オネエの優も負けそうな

くらいヘコヘコ歩き

面白いが笑えない!痛そう💦


俺と晏慈と祐輔は大夢を抱えて

病院へ行った。


知人友人に医者はゴロゴロいたが

酒飲んでて話にならない。

飛べーとか冷やせーとか

わけ分からん。


雪菜もヤリ過ぎたと心配して

結菜と待っていた。


「雪菜・・・

あれは大夢さんが悪い‼

正当な罰よ。」


自分の彼女ほっといて同じ場所で

イチャつくなんてチン蹴り入れ

られても足りないくらいよ。」


「うん。

結菜、有難う。」



「ほらほら、食べよう。

いっぱい光寿郎が頼んでくれて

いたの、ほらぁ元気出して‼」

結菜は雪菜を元気づけたが

イマイチ何時もの雪菜じゃなかった。


それから2時間くらいして

2人は帰ってきた。


晏慈と祐輔は病院で別れた

“二次会で会おう“ そう言って

帰って行った。


雪菜と大夢も二人して、大夢の

マンションへと帰って行った。

二次会は残念ながら欠席

2人で話し合う事にした。


幼馴染な二人はずっと離れずに

育った。

光寿郎と桜のような

関係ではなく、お互いを好きな癖に

すれ違いを繰り返していた。


結菜も光寿郎も2人の幸せを

祈らずには居られない。


外国の友人も沢山来ていた為

ホテルの宴会場を貸切

にしてカラオケ三昧


その間も光寿郎は結菜の手を

離さ無かった。


🐺対策‼


皆に笑われた。

「結菜は、明日から寝不足だな!

この様子じゃ、乗ったり

降りたり乗ったりの繰り返しだよな‼

≧(´▽`)≦アハハハ

ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)アハハハ

大変だな(^∇^)アハハハハ!」


「結菜、恥ずかしいのか?」


ポッと頬を染め俯きながら結菜は

光寿郎の耳元で呟いた。


「恥ずかしいから少し

離れようよ。」



初々しい結菜の態度に

🐺ウオーオォォン♡

「早く二人になりたいな♡」

光寿郎は、甘いマスクで

覗き込んでくる。


「だから・・・

そんな連想させるような言い方

やめようよ。」


「結菜♡可愛い(*˘ ³˘)♡ちゅっ」


話にならない。

自分で言うのも変だけど

全力で愛され過ぎ、御曹司の癖に

女いっぱいいたのになんなん?


結菜の友達も沢山いる。

皆ニヤニヤニヤニヤしてる

恥ずかしい。


美乃も旦那さんと参加してくれた。

ハンバーガー仲間も全員参加

電話で雪菜と大夢さんも仲直り

したと聞いた。


明日からは昨日までと違う景色が

見られるだろう。


おじい様も椿さんも一緒に住む

そうだ、おじい様の長年の夢が

叶った。


海外出張の時は結菜も連れて

行ってくれると光寿郎は約束した。

違う意味だか海外を飛び回る夢は

叶いそうだ。


沢山子供を産んで光寿郎の

帰る楽しい家族を作ろう。


皆にはやく孫を抱かせて上げたい。

あの日椿さんと呼んだ年の差の

ある友人は結菜の義祖母と

なった。


あの日屋上で飛行機を見ていた

お義祖母様は、遠く海外にいる

お義爺様を思っていたのでは

無いだろうか?

ふと盛り上がる二次会を過ごし

ながらそう思った。


有名芸能人も光寿郎の付き合いで

何人も呼ばれていて盛り上がった。


最後には日本の〆で

ラーメンを振る舞い海外の友人

には好評だった。

日本人には日本人の〆がある。


ラーメンをジッと見つめる

結菜に光寿郎は

「結菜も・・・食べてみる?」

と声をかける。


「光寿郎、私に気を使わないで

食べなよ!」



結菜の答えはいつもこうだ

その度に自責の念に駆られる。


2人で長崎に行った時、結菜は

俺の目の前で沢山食べまくった。

あの可愛い食べっぷりには

ビックリはしたが別に一緒にいて

恥ずかしいなんて思う事は

無かったんだ。


あの日の結菜に早く戻ってほしい。

そう出来なくしたのは

他でもない俺自信なんだ。


それから2ヶ月

光寿郎の勧めもありクリニックに

通っている。


ただ先生と話して帰るだけ

薬も無いし次の予約を入れて帰る。


だけどなんだろうな、さすが

お医者さん、今はお茶くらいなら

光寿郎と出かけれるように

なった。



そんな時光寿郎が海外へ出張に

なった。

アメリカ・・・又夏帆と飛行機で会う

かもしれない・・・不安が過ぎる。


然しNY支社はマーケットの大事な

役割をこなしている。

行くな、とは言えない

不安な仲結菜は何も

気にしていないように

振舞った。


だだっ広い玄関を開け

「結菜、帰りは木曜日だよ。

一緒に行かなくていいのか?

後の便で合流しても良いんだぞ!

休み取って観光しないか?」


「いいの ✋いいの✋‼

お仕事頑張って、私はお祖母様と

箱根に行くし、お互い楽しもう。」


「おいぃ、俺は仕事‼」


「≧(´▽`)≦アハハハそうだったね。

行ってらっしゃい。」


そう今日はお祖母様夫婦がハワイ

の自宅から帰ってくる

箱根で落合、1泊の予定。

光寿郎は社長になった。

愛人の、ひとりや二人は覚悟の上

これくらいの覚悟が無いなら

あの男の妻は務まらない‼


ただ浮気するのなら分からない

ようにやって欲しい。


然し夏帆とはもう関係して

ほしくない。


未遂とは言え一度夏帆に

揺れた光寿郎を信用はしていない。


元婚約者、雄吾も夏帆に取られ

光寿郎も夏帆に取られそうになり

知らん顔は出来ない。



︎ ┈┈ ✈︎


着いて直ぐ仕事が出来るように

資料を出して仕事内容を

確認する。


「光寿郎さん?」

名前を呼ばれ顔を上げる。

そこにはCAの制服を着た

弾ける笑顔の夏帆が背中を屈め

覗き込んで来た。



「ああ、夏帆さん、久しぶり

又同じ飛行機でしたか‼」


「結菜とご結婚されたんですね

おめでとうございます。」


夏帆は綺麗な潤んだ瞳で

俺を見た。

「仲良くやってますよ。」


「そうなんですね。

何時までアメリカに?」


「水曜日までですよ。

木曜日には日本に帰る予定です。」


夏帆は嬉しそうにパアツと

顔をほころばせた。


「じゃあ、夕食御一緒しませんか?

アメリカですし、結菜には

バレませんから♡

以前、結菜に邪魔されて

あのまま別れたでしょう。

その穴埋めもして欲しいん

ですけど・・・♡」


「いやいや、仕事が立て込んでて

無理ですよ。

部下も一緒に来てるんで・・・✋」


「そうですか!

残念です。」

(何よ結菜の奴‼彼を言いくるめ

たわね。アンタばかり

社長夫人なんて許さないんだから‼

絶対彼を略奪してみせる。)


夏華は一度自分に揺らいだ光寿郎

諦めていなかった。


夜、光寿郎のホテルに偶然を

装って尋ねれば、お酒も入って

るだろうし一発よ。


高そうなホテルに目星をつけ

光寿郎を待っていた。


ビンゴー

三、四人の日本人が入って来た

先頭を歩く彼は、やはりカッコイイ


夏帆はロビーからフロントへと

向かう。


「アラ‼ 九条さん。」

クルリと振り返り光寿郎は・・・


「あ、夏帆さん。」



「モウッ光寿郎さんってば、

夏帆でいいのに他人行儀。」


それを聞いた3人の秘書は驚いて

何かを察した様で


「社長、私達は部屋へ帰り

明日の商談の準備をします。」


気を聞かせたつもりか、そう

光寿郎に向かってキチンとした

態度で頭をさげた。


「いや、大丈夫だよ

妻の友人なんだ。」


秘書に説明すると夏帆の方を

向いて



「夏帆さん

妻が誤解すると厄介なんですよ。


確かに、以前はそう言う気持ちも

あったがもう既婚者なんで、

落ちつかないと・・・

結菜と結婚した意味が無いでしょう。


女性と会ってどうこう言われたら

離婚になりますし

何より妻を愛しているので

今度は妻同伴の時にお誘いしますよ。」


夏帆は一瞬Σ(ㅎωㅎ;)エッ‼と思った

がプライドが許さなかったのか


「あ、(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…

いえ、た、ただお見かけしたから

声をかけただけで・・・

意味はありません。」


「そうですか!

では・・・」


光寿郎は前とは全然違う態度で

フロントで鍵を貰うとサッサと

エレベーターの方へと

去って行った。


コレで諦めた訳じゃない。

夏帆は、狙った獲物は必ず落とす

雌ヒョウ🐆と呼ばれた女

プライドが許せない。



さてさて、アメリカの仕事も、

親父とバトンタッチ‼

俺は予定どおり帰国の途に就く‼

*⋆✈


仕事が上手く行った安堵で

ずっとねむっていた。


空港の中のカフェで何時もの

様に珈琲を飲み、此処で

一息着くのは昔からの週間

日本に帰って来たとホッとする。


「あれ?(笑)

光寿郎さん?」

ふと名前を呼ばれ振り返る。


「帰られたんですね。

お疲れ様です。」


「ええ、( ̄▽ ̄;)どーも‼」


「これからお休みですか?」


「ええ、まあ‼」


「じゃあ、今度こそ

御一緒出来ますね♡

嬉しい。」

夏帆は甘ったれた声を出して

とびっいてきた。


「(꒪⌓꒪ ).......エッ??」

「(´⊙ω⊙` )アーッ!」

ふたつの顔がニョッコリとカフェの

椅子からビックリしながらも飛び

だし、又スゴスゴと引っ込んだ‼


「あの、俺は既婚者で

君と何かあったら不倫に

なりますよ。

いいの?」


「え?ウフッ

光寿郎さん(笑)

勿論です。そんなの恐く無いし。

覚悟の上です。❤」


「俺も俺だけど君も・・・

なんて言うか親友なんでしょ。

未遂した時、結菜にこっ酷く言わ

れたよ。


元彼を取られてるって

知りながら又同じ事する

なんて最低ってね。

元彼寝盗られた話、

したでしょって‼


元彼寝とった親友って

あれ、きみだったんだね

俺死ぬ程反省した。


君は何も思わないの?

結菜は元親友ってたっけ?」


「それはソレ

これはコレですもの‼

光寿郎さんも私の方が絶対

満足すると思うわ。」


「結菜の元彼のように?ってか

君は彼と結婚するんじゃ

なかったの?

結菜から略奪しといて?」



光寿郎は眉間にシワを寄せて

信じられない顔をした。


「だって・・・アレは遊びだったの

本当に本気じゃ無かったの‼」


「どういう事?」


「光寿郎さんは本気よ

私本気で好きなの‼」


「結菜、慰謝料請求できるんだけど

婚約してたらしいし

俺との事がバレたら

慰謝料追加するかもしれないよ。」


「そしたら結菜と離婚して

私と再婚って手もありでしょ。

私はその方がいいかなぁ〜❤

光寿郎さんといたいもの❤」


「は?」


「(ˆωˆ )フフフ…!」


「ナイナイ、

俺は結菜を手放さ無いよ。

なんの冗談?(笑)」


は?

「結菜の何処がいいの?」


「全部、丸ごと全部好き‼」

光寿郎は甘々な声を出した。


「・・・(꒪꒳꒪;)」


「もう僕にチョツカイは出さ

ないでくれ。

もう結菜の婚約者略奪したら

気が済んだだろう。


内容証明が会社宛に届くのが

嫌だったらもう略奪みたいな

悪趣味は辞めたがいい。


結菜がなんと言おうと俺が

やるからな‼」


( ꒪⌓꒪)・・・ハッ

「待って光寿郎さん

貴方の事は本気なんです。

あなたが好き‼」


席を立とうとした光寿郎は

夏帆に腕を掴まれてしばし

フリーズ‼


「僕は既婚者で妻を愛している。

君の事は何とも思っていないし

あの時は申し訳無かった‼

勘違いさせた俺も大概な馬鹿だった。


だからあの時あの場所に、

結菜がいた事に感謝している。

未遂で終わらなかったら

結菜と永遠に別れられている。

結菜は愛情は深い分


裏切られたらアッサリと

捨てるんだ‼

知らないのか?


結菜の元彼と同じ間違いを

しなくて

本当に良かった。


だから今


好きでもないアンタと

不倫する理由もない‼」


「待って光寿郎さん。

きっときっと後悔するわよ

私の方があなたを幸せに出来るし

夜だって、何も知らない結菜より

満足させれる。


試したらわかるって、ね💕」



「フッ、夜って行為の事言ってる?

フフ俺が満足しなくても

結菜をイヤと思わせる程

満足させているよ毎晩ね。

グッタリする迄愛してるよ。


結菜が満足する事が俺の

満足なんだ。


これ以上付きまとうなら

ストーカーとして警察に迷惑行為

で訴える。」


冷たくあしらうと光寿郎はカフェ

を出て行った。


夏帆は、悔しそうにその後ろ

姿を目で追っていた。


そんな様子をケラケラケラと

笑いながら見守る結菜の

学生時代からの親友芽依と、

仲の良い長年の同僚、美乃がいた。



悔しそうな夏帆を見ながら

ケタケタケタと笑う二人は

ザマ-ァと思っていた。

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