第35話 ハワイ最終日

「まぁ、こんなもんか!」

結菜は帯をポンポンと叩くと

クルクルクルと帯を解く!


「うっわぁ、軽い体が軽い。」


サササっと着替えて

パパパと自己流で畳む!

日本に帰ればクリーニングに

出すらしい。

走り回ったあとは、お腹はペコペコ

結菜は早速街へとくりだした。


日本人に向けた、色んなお店がある

日本でも中華街や、仏レストラン

もあるから

そんなもんだよね。


結菜はハワイならではの食べ物

を食べたくて散策していた。


ポキ丼やロコモコ、ハンバーガーや

海鮮、を制覇して、いよいよ

スーイッを食べようと、店に入ろう

とした時、ガタイの良い数人に呼

び止められた。


「Is it yuina?」


「Yes.」


「(꒪꒳꒪;)や、ヤバイ人達?」

しばらく立ち往生している間に

1人の黒人男性が、誰かに電話

していた。

イタリア語っポイ




黒塗りの高級車がスルスルスルー

っと近ずいて来て、中から

背の高い金髪の25、6歳位の

男性があらわれた。


目がブルーで、もの柔らかそうな

彼は・・・


「さっきお会いしましたね。」


「あ‼確かスチュワートさん?」


「あ、名前覚えてくれていましたか?」


「はい。」


ツカツカツカツカ

結菜とスチュワートの会話を

割るように足音がけたたましい

音を立てる。


「結菜‼」

腕を捕まれ振り返る。

スチュワートも怪訝な顔つきに

なる。


「彼女は、九条家の家の者です。

僕が連れてかえります。

責任があるので・・・キリッ」


「あなたは確か九条家の跡取り

でしたよね。

彼女との関係は?」


「説明する必要はない‼」


「あ💦あの・・・

彼とは、なんの関係も

無いんですよ。」

(꒪⌓꒪ ).......エッ??結菜?


「恋人じゃないんですか?」


《《ꉂꉂアハハ彼には桜さん

という美人な彼女がいますよ。

見たでしょうチラ二人でラスト

ダンス踊っていたじゃないですか?あの美人さんですよぉー》》


光寿郎は不機嫌な顔をして


「は?何言ってんの?

結菜が俺の彼女だし。」

と言った。


「(ΦДΦ)はぁ?

桜さんと抱き合ってたじゃん。


HOTELの一室で、しかも


上半身ハダカで(-"-)イラツ

同じ部屋で何時間も過ごすなんて

それにあの綺麗な着物は

桜さんに光寿郎が用意したんでしょ・・・ 

完璧に本カノじゃない。」


「あ、ああ、あれは結菜の

着物だったんだ。

山根と婆ちゃんが選んだ

らしくて・・・💦」



「( ☉_☉) えーそうだったの?」


「そ💦そうらしいんだ‼

だからあれは俺が買ったんじゃない。」


「あの着物・・・私のだったの?」


「そうだよ。」


「それ知って・・・て

桜さんに着せたの?

さぁいーてぇいー

∑(Ò⌓ Ólll)

マジ…有り得んちゃう?」


「いやいや💦、知らなかった・・・💦

結菜が来てるのも!知らなかった!

桜が着たいって言うし

凄く似合ってたし・・・

誰のか分からないし・・・💦」


「ふうん〜ソッ‼


着たいって彼女が言えば

誰のかも確かめずにあげちゃうん

だァー‼


私も着たかったなぁー

お高そうで、凄く綺麗だったし


あ💦私には似合わなかったよね。

桜さんに凄━━━━━━━く

良く似合ってたんだもん

ね━━━━━━━━━━ッ‼」


結菜は小憎たらしい顔で

「ホントに、よく(下唇を突き出て)

似合ってたよねぇー‼」


「いやそれは・・・ごめん

結菜にも似合ってたとおもうよ

(⌒-⌒; )💦いや似合うに決まって

るし・・・結菜だし💦」



「・・・無理しなくてもいいし、



ってかあ!ビーチでもチュッチュ

してたじゃん。

見てたんだから・・・

ってか桜さんと仲良いんだし

上手くやればァ

なんで弁解なんかするの?

見るからに桜さんとラブラブ

なんですけどー

なんで認めないワケ?」



「イヤイヤイヤ

ラブラブ・・・って

結菜・・・君が来てるの知って

居ればあんな事しなかったよ。

全部誤解だよ

桜には説明してある。

桜とくっつく事はない‼」


「何よ、知ってたらって‼

ジー

今までが今まで

だから信じれん!」


2人の会話を聞いていたスチュワート

は、少し光寿郎を見て



「 フゥ~

結菜電話番号だよ。

彼と、片が着いたら連絡して」

スチュワートは、光寿郎の勝手さに

呆れながら結菜に

電話番号が書かれた紙を

手渡した。


「結菜、彼より僕の方が

君を幸せにできるよ。」


彼はスマートに手を振って

車に乗り投げキッス⌒♡を結菜に

向けて帰って行った。



光寿郎は💢ムカッ

「出せ‼」


「ん?何を」


「今受け取った紙﹏」


「アホちゃうか?

あんたこそ桜さん1人にしてて

良いのカヨ

カエレカエレカエレー👅」


「・・・結菜も、連れて帰る。」


「私まだ食べたいも━━━━ん。

スイーツ食べないと明日帰るし

光寿郎は桜さんと

おデートらしいじゃーん。」


「いや💦それは・・・💦」


「じゃあ明日デート

行かなかったら

信じてあげるよ。(≖ᴗ≖๑)ニヒッ」


「仕事なんだよ

調印式なんだよ‼

行かないと契約出来ないんだ‼」


「桜さんも必要なの?」


「一応、彼女の父親の会社で

彼女も役員なんだよ。」




「・・・💦」


結菜は素直に光寿郎の車に乗って

ホテルに帰った。

仕事と聞けば、それ以上は

何も言えなかった。

多分大きな取引なんだろう。

椿さんにも迷惑がかかる。


「じゃあ、ここで」

光寿郎と、エレベーターの前で

別れた。

光寿郎も安心したように

エレベーターに乗って帰って行った。


部屋に帰ると家政婦軍団が

女子会をしていた。

話の中心はやはり光寿郎と桜さんの

話だった。


「明日〜

光寿郎様と桜様、調印式が

終わったら

じゃない?(笑)」


「なに~その笑い、若いんだもの

当たり前よ!しかもハワイだし‼」


「(*゚∀゚)アヒャヒャ勿論よ‼

今日だって仲良くてキマリよ。

🍨♡ウマ」


「あー羨ましいバリッ‪🍘‬」


明日夕方の飛行機迄私たち

自由にしていいんだって

🍫アゲル」


「どこいく?」

家政婦さん達は女子会のお菓子を

バリバリ‪🍘‬🍭🍬🍪ボリボリ


「そうそう山科さんも

一緒にどう?行かない?

🍮🍩🍰たべる?」


「あ‼頂きます。

ウマ


私明日は、お土産買いに

行くんですよー!

友達に配る奴です。」


「そう、じゃあ合流出来たら

連絡してね。」


「明日のために解散解散」

みんなそれぞれの部屋にお菓子を

抱えて帰って

行った。


「さあて寝るか‼」


「はい。」

坂本さんと結菜はすっかり

打ち解けて、仲良くなっていた。


結菜は、ベッドから顔を出して


「坂本さん。

お世話になりました。」


「どうした!?

辞めるみたいじゃない!」


「私、臨時雇いなんです。

だからこれで終わりなんですよ。」


「えーなんで?

まだ九条家にはハワイ行きたい

って子が沢山いたのに?

臨時って?」


「・・・💦そうなんですか?」


「まぁ気に入ったなら

九条家においでよ。

あんたなら一緒に働いたら

楽しいかもよ。

おやすみファァ」


「はい、おやすみなさい」

今日は朝から働き詰め

有難いかな光寿郎の事を悩む暇

なく眠りに落ちた。




とは反対に・・・



ヤッパリあの時、部屋に入って来た

のは結菜だった。


ウロウロウロウロウロウロ



ヤヤヤヽ(´Д`;≡;´Д`)ノ ヤバイッテ!!

しっかり見られていたw


しかもビーチでの桜との事も

見ていたらしい。

ヤバイって・・・💦

マジ誤解だ‼って誰が信じる・・・


あのスチュワートか、何か知らん

けど・・・

結菜がアイツに、電話なんか

しないよな!

イヤイヤ、やけになってるし・・・

ヤッパリあのメモ取り上げて

くる。

ドカドカドカ

光寿郎は12時を超えたと言うのに

結菜の部屋へと出向いた。


コンコン コンコン「ユイナ ユイナ」

返事も無い。

明日全員帰るのか?

結菜も帰るのか?


悩んで部屋の前にいると


ピコーン

“うるさい“


オッ、起きてたか?

光寿郎はドアの前で、ライ〇を

開いた。


“あのメモ出せ‼

心配で眠れない!“


“いっぱいあるよ(笑)

スチュワートさんのだけじゃ

無いから(笑)“



“嘘“

送られて来た写メには3角の

メモの山が写し出されていた。


“エヘヘこんなモテたの

初めて〜“


“いいか、電話なんかするなよ“


“アンタに関係無いし・・・👅

早く寝ろ‼

明日、ちょーいんしき何ダロ


次いでに

アンタと桜さんの婚姻届にも

ポーンポンポンポンと印鑑

押してくれバ━━━━━アꉂꉂ

私寝るムカッ起こすナ‼“


それから結菜は既読もつかず

眠ってしまったポイ。



朝早く光寿郎はホテルの結菜の部屋

を見上げ、ズラズラズラーっと

並んだ黒塗りの車に上着の

ボタンを止めながらハァー

っと深い溜息をもらしながら

もう一度結菜の部屋を見つめ

乗り込んだ!。



カーテンの隙間をチョコッと覗き

ながら光寿郎がどうするか気には

なってしまう。


「チッ( ˙^˙💢 )」

光寿郎の乗った車が出て行くと

4、5台続いて出ていった。


印鑑押すのにたいへんだね、

人件費バカになんないよ。

ガソリン代だって無駄な気する。

ココは日本じゃないのに

企業が日本人同士だから

印鑑いるんか?

じゃあ日本でヤレよw


「さあて、さあて、」

坂本さん達はさっさと支度を済ませ

観光に出かけた。

日本に帰るのは、夜の

飛行機だから忙しそう。

ペチャクチャペチャクチャ話

ながら楽しそうに


「行って来るからねー

山科さんも楽しんでね」


そう言って部屋を出ていった。


ポッン一人残った結菜は仕方なく

みんなへのお土産を買いにでた。


もう11時、調印式が終わる時間だ。

「調印式の後はお決まりの

コース

じゃない?決まりよね﹏」


昨日の九条家家政婦女子会の

会話が甦る。

「決まりか‼決まったのかな?」


とりあえず買い物に集中。


色々回ったけど中々決められない。


午後2時、買い物も終わった。

香水、全員キャラ別に香水に

チョコレート‼

美那ちゃんにだけハワイの女の子の

お人形さんを買った。


「フフ喜んでくれるかな?」

美那ちゃんの喜ぶ顔を思い浮かべ

ると結菜の顔も緩んで来た。


携帯を見ても光寿郎からの

着信も連絡も入って来ない。


チッ💢嘘つきめ‼



ザワザワザワザワ

女の子達の声がする。

「彼、カッコイイ‼

アジア系だよね。」


「背も高いし素敵ね!」

結菜がフッと見ると光寿郎が

桜さんと買い物をしていた。


和やかな雰囲気は

幸せそうな恋人ってとこですかい。


新しく出来たJewelryのお店に

二人で腕を組ながら入っていく‼


「とりあえず指輪💍か?」

結菜も自分の指をみる。

左手薬指の指輪を外して

何年経ったんだろう。


忘れていた過去がよみがえる。


「新婚旅行はハワイがイイナ。」


「俺はオーストラリアがいいな‼」


「雄吾!ハワイ‼」


「いや、オーストラリアだ‼」


「じゃあ雄吾のお母さんと

新婚旅行に行く‼

お義母さんもハワイがいいってよ。」



「おい、結菜まさかだけど

親もいくのか?﹏ 」


「大勢が楽しいって‼」


「おいおい、新婚旅行だぞ!

親はパス‼」


「お義母さん達も楽しみに

してるし、いいじゃん。」


「マジかー」


雄吾と幸せだった頃の会話

なんで今頃思い出すんだろう。


雄吾の後ろ姿と光寿郎の後ろ姿が

似ていたからかも知れない。

結菜の心が、幸せそうな二人を見て

羨ましかったからかも知れない。


もう本当に光寿郎を諦めよう。

何時までも光寿郎の周りをウロウロ

するのはやめよう。

なんやかんや言っても光寿郎の

そばに居たかったんだと思う。


私のバカチン




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