第33話 光寿郎の幼馴染2

椿さんに話を聞いたら

家政婦さんを15人連れて行く

らしい。


九条財閥のHOTELの鶴の間で

大々的に、各国のセレブが集合

するようだ。


「話聞いただけで、お腹いっぱい‼」


「椿さん人手たりますか?」


「大丈夫、アッチのスタッフも

いるし、気持ち連れて行くだけ

だから・・・

結菜は私の隣に立っていれば

良いわよ。」



「えっ・・・と光寿郎もいるん

ですよね。」


「え?ああ、まあ居るわね!」

「光寿郎はどこにスタンバイします?」


「跡継ぎだから・・・旦那のとなりかな?」


「えーと光寿郎のお父様は?」


「あの子は主催者になるから

一番前かしら・・・

どうして?」


「お爺様の隣が光寿郎で

椿さんの隣が私?ですか?」


「そうだけど何かおかしい?」


「いやいやいやいや

へんですよーぉ、私は遠慮します。

お部屋にいますから笑」


「暇だよ!PM18:00から

多分21:00くらいまであるかも

しれないし、そうそう20:00

からダンスパーティに変更らしい

の爺さんらしいわ!

それに・・・💦」


「え?なんかあるん

ですか?」


「爺さんが光寿郎の嫁を

探して、見合いも兼ねてる

らしいのよ。


まーったく光寿郎が出席する

と聞いた途端知り合いに

通達を出しまくったらしいの‼


だから結菜は必ず出席‼」



「え?・・・・・・

・・・と💦」




空港に着くと結菜はキョロキョロ

しながら迎えに来た九条家所有の

マイクロバスに乗り込み


ワイキキビーチを横目に

走り、見慣れぬ景色を憂鬱に

九条家所有のホテルに着いた。


あれから椿さんと話し合い

九条家家政婦軍団に潜り込んだ。

ただ椿さんのお願いを受け入れた

訳ではなく、椿さんの言い分に

逆らうことをしたくなかったからだ


椿さんは大好きな人だから。


椿さんはキリッとした藍色の

着物を着て髪を結い上げ

ド迫力な貫禄を漂わせ先に迎えに

来た黒塗りの立派な車に乗って

空港をでていた。


手荷物を下ろす手伝いをしていると

スーツを着て、背は169位だろうか

メガネをかけ白髪の優しそうな

光寿郎に似た老人が現れた。


彼はバスの中の私達に向け

「九条です。

今日は、ワザワザありがとう

疲れましたか?

後はホテルの者に任せて

明日の為休んで下さいね。」


そう言うとニコニコしながら

手を上げて去って行った。


家政婦長が頭を挙げるまで

誰もパッパッ上げなかった。


という訳で半日は自由時間にな

った。


結菜はせっかく来たからビーチまで

散歩にでた。


クルクルロングにPINKの

ノースリーブ

に短パン可愛らしい出で立ちは

外国人の目を引いた。


「ねえ日本人?

ランチ行かない?」


「ごめんなさい、彼と待ち合わせ

なの?」と嘘つく。


何回も声をかけられ困ってしまう。

ありきたりの嘘で反撃する。


ようやく静かな場所

を見つけ座り込む。


ヤシの木に、青い空、静かな波に

聞こえるのはなみ?なみ?・・・違う?

チュッ❤チュッ💋💕

ん?

ブッ( ˘ ³˘)チュッ﹏❤

は?この音は?


「は?桜、冗談か?」


木の影から聞こえる声は・・・

まさに光寿郎?Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!


「本気よ。私光寿郎がずっと

ずっと好きだった。

お爺様から光寿郎が来るって聞いて

パパに着いてきたのよ。」


「ロサンゼルスから?」


「違う私今イギリスにいるのよ。」


結菜は木の影から👂を立てていた。


「え?・・・俺たちJrスクール

までで、会って無いだろうに、

なんで‼」



「なんでかなぁ‼

お爺様が光寿郎の見合いを兼ねて

知り合いの娘さん達を連れて来る

ように通達したって聞いて

焦っちゃったのかも。」


「ああ💦そうだったのか?」



「私の事、どう思ってる?

今の私を見てどう思う?」


完全に桜は光寿郎に迫っていた。

緩やかな髪は光寿郎の首元で揺れ

細長い腕は光寿郎の首に回され

ている。



(キスまで10センチやん)


「桜、この間言ったように

綺麗だよ。

桜に言われて断る奴は居ないダロ。」


「❤光寿郎﹏❤」


((*👄*)アッチャ﹏wデスヨネwww)

後はいっものコースか‼

『桜、愛してるチュッ』


『光寿郎、私も、ちゅ』

結菜の想像は膨らむ


アヘアヘ砂浜での日中の情事かよー

結菜は南国の風を受けながら

プンスカプン💢

ホテルまでの道を歩いた。





「だけど桜、俺は異常に好きな

子がいる。

どんなに桜が美しくても

足元に咲くタンポポが愛おしい。

この気持ちを何度も押さえ込んだ

けど・・・無理だった。」


桜は首にかかった華奢な手を

ダランと離し・・・・・・


「どうしても?、光寿郎振られ

たんでしょう。

諦めて私にしてよ。」


「ごめん、振られても

諦められない!

どんな手を使っても俺の物にする。

もう決めているんだ‼

たとへ、動かなくしてもだ。」


「え?・・・💦光寿郎、ちょっと怖い」


「ああ、ストーカー気質も

あるかもしれない。

それくらい想っている。

気が変になりそうな時もあるんだ‼

ヤバイだろう。」


ニタニタ笑う光寿郎を見て桜は

少し異常さを感じた。


「その愛情は私じゃダメ?」


「もう無理だ、ヤバイ線を超えた

もう結菜しか見えていない。

沢山の綺麗な花が咲いていても

結菜は特別な光を指すんだ

だから直ぐ見つけられる。」



「え?・・・💦」



「フフフだって結菜は

俺のだから・・・」ニタ~




ゾゾゾゾ・・・


桜は一瞬光寿郎の目が

ドス黒い光を放したように見えた。



「サッ桜泳ごうぜ!」

無邪気に笑う光寿郎は昔のまま

さっきの視線は勘違いかと思う

くらいに明るい。


本当にあの鋭い目を何処に隠して

いたのか?

Tシャッを脱ぎ海に駆け込む光寿郎は

昔のままな気がするのに・・・💦


あの時光寿郎は私との別れを

泣いて嫌がった、そして日本に

引きずられるように帰って行った。


おじ様が日本に新会社を

設立する為の、三年間光寿郎は

連れて帰られ又、ロサンゼルスに

帰ってくる予定だったはずなのに

光寿郎だけロサンゼルスには帰らず

日本の高校、大学

と進んだ。



私も17歳の時両親の仕事に着いて

イギリスへと移住した。


あの時手を離さないで一緒に

日本に行けば光寿郎は私と・・・



あのままの生活が続いて私と

結婚してくれたのだろうか?


日本にいる私の祖母も帰って来て

欲しいと連絡もあつていたが

その頃は両親と離れて暮らす

覚悟が無かった。

それに、夢もあった。

私なりのブランドを立ち上げると

言う夢‼


しかし夢も叶い売れ行きも上場

夢も叶ってしまったらもう

夢では無くなり、それが普通の

日常になってしまった。


思い出すのは幼児期の光寿郎との

楽しい日々‼


ビーチでボール遊びをしたり

サーフィンの練習をしたり

疲れたら一緒にお風呂に入って

着替えが苦手な光寿郎をなだめ

ながら着替えさせ

同じベットで眠った。


朝の歯磨きもしてあげて

嫌いな物も食べてあげた。

朝から晩までくっついて居たのに

距離の長さは、光寿郎の気持ちを

繋いではくれなかった!


そんな昔の思い出が

今の桜を苦しめていた。






はぁー

ホテルに帰り、オレンジジュースを

飲む。

「あー腹減って来たかも‼」


結菜は日本にいる長崎の雪菜や

美乃、芽依、優にLIN〇を送る。


“ついに仕事でハワイ﹏アロハー“


誰一人信じない(笑)ウケる、

結菜最高(≧∇≦)ブヒャヒャヒャ

バカにした返信ばかり。


本当にハワイに仕事なんだってバ


「( º言º)チッムカックゥ﹏ 」

誰も信用してくれない!


ブツブツ言いながらオレンジ🍊

ジュースを一気飲み

ゴクゴクゴクゴクゴクゴクプファ

ドーンと空のコップがテーブルに

並ぶ!五杯目﹏🍹ウマ﹏


ふと顔を上げると桜と光寿郎の、

二人がラフな格好で入って来た。


結菜は気づかれないように

席を変わった。


並んだ🍹のコップと、🍰の

空き皿が縦に積み重なって

いるのに目をやると光寿郎は

当たりを(´⊙ω⊙`≡´⊙ω⊙`)キョロキョロ

見回していた。


「ヴァカメ!

もうパンケーキ食っとるワ

いつまでも🍰にしがみつくと

思うなよ。

美味くても20位で止めとくワ。

後は、クレープと🍦‬🍨

の後はゼリーにシュークリーム

マダマダ先はながいんじゃ‼」


気を取り直した光寿郎と彼女は

椅子に座り楽しそうに二人で

食事を始めた。

後ろに光寿郎がいても

1枚ガラスから差し込む光と、

青い空に鳥が舞う姿に結菜はみと

れていた。


光寿郎は時々当たりを見回すので

パンケーキのオカワリが

出来ない。


「あー早くどっか行ってクレ‼」

結菜はスイーツの食べ放題も

楽しみにしていた。」


結菜の場合は本当の食べ放題

椿さんから

「結菜はこのホテルなら

なんでも食べ放題にしてあげる。

いっぱい食べて帰りなさい。」

と椿さんから言われていた。


“無一門の食べ放題‼“


それに釣られて椿さんの提案を

受け入れた訳でもある。

食ったぶんは明日働いて返す。

一宿一飯の恩義は日本人なら忘れ

ては行けないのだ‼



2人は見つめ合ってるように見える

アツアツムードがそれとなく

背中に伝わってくるし・・・💦


「桜、明日は着物か?」


「うん、ねえワルツ踊れるよね。」


「まぁ一応な‼」


「じゃあ、私と踊ってね。」


「うん。

勿論!」

2人の仲睦ましい会話が結菜の食欲

を減退させる。


“なんでこんな近くに来るかなぁ

散々楽しんでいた癖にぃ﹏

まだくっついていたいのかよ。


まぁあんな綺麗な人だから

しょうがないか‼

またあとから食いにくるかぁ‼


結菜は二人を遠目に見ながら

用意された部屋に帰って行った。


「ちょっとちょっと‼

新入りさん。」


声をかけて来たのは初めましての

家政婦さんだった。


家政婦長や椿さんのお付きの

メイドさん達は顔なじみだけど

いかにもゴツイ顔の彼女は

会った事が無かったがもう10年勤務

しているらしい。



「勝手にウロウロされたら

困るでしょう。

外に出る時は声かけて‼」


「あ💦すみません。

でも自由時間の・・・はずですが?」


「上の人はいいの‼

私たち下っ端は色々やる事

あるでしょう。」


「え?・・・と?

10年務められてますよね?

下っ端なんですか?」


「そうよー‼

皆、長いのよ、

20年30年40年はザラよ‼」



「へ〜え、そうなんですか?」


「ホラホラ、明日のみんなの

着物を出したり準備するわよ。

明日7時集合なんだからね。

忙しいわよ。」


「あ、はい。」


口喧しい坂本さんは、手慣れてる

様子でパパパと準備を

指示してくる。


なにがなにか、分かるワケも

なく呆然としていると

喧しい顔とは反対に丁寧に

教えてくれた。


段々慣れて来ると手際よく出来る

ようになってきて楽しく

なってきた。



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