第24話 新しい獲物
毎日光寿郎は珍しい外国の
写メを送ってきた。
何をしたとか何処に行ったとか
結菜が不安にならないように
逐一報告して来た。
寝る前には1時間話し込む事もあった。
土日を挟んでいたから結菜も
夜昼逆転しても大丈夫だった。
夏帆とあった日、椿さんの所
には行かなかった。
つい光寿郎の話をしてしまいそうな
気がしていた。
光寿郎が帰って来る明日、六時着
の光寿郎を迎えに行って
そのまま椿さんに報告に
行こうと思っていた。
夏帆と芽衣と結菜は小学校からの
付き合いで空で働く事を
夢みていた。
芽衣も夏帆もそんな結菜の夢に
賛同し3人の夢へと変わって行った。
結菜は小さい頃からキャビン
アテンダントにあこがれた。
空港に親戚を迎えに両親と出向いた
時、並んで歩くスッとして
スタイルよく歩く集団に釘付けに
なった。
「綺麗」
1人の外国人の問いかけに
ペラペラペラペラペラペラ
10歳の結菜は(๑°⌓°๑)ポカーン
そんな結菜に向かい彼女は
ニッコリと微笑んだ。
「絶対、キャビンアテンダント
になる‼」
結菜は固く決心した。
そんな出来事もあり結菜は空に
あこがれた。
英語も頑張った。
英語だけでは足りないと姉に
言われ、勉強も頑張り
中国語、イタリア語、フランス語
それに韓国語をかじってきた。
残念ながら、独学で‼
まだ完璧ではない。
しかし身長156の結菜は
あの制服は着れない事を薄々
理解した。
夏帆と芽衣は二人共に合格
あの広い空へと飛び出した。
受ける前から不合格‼
そんな結菜は旅行会社へと泣く泣く
方向転換‼
夏帆も芽衣もモデル越えの体型
芽衣はキリッとした美人
夏帆も卵型の顔にクルリとした
目、笑うと無くなる笑顔が
男ウケするらしい。
でるとこは出て、芽衣同様
バツグンな目を引くスタイル
そんな夏帆に雄吾もよろめいた。
芽衣と夏帆この二人と会う時は必ず
かかとの高いヒールは必須
二人も気を使って低い靴を
履いてくれていた。
久しぶりに芽衣から食事の誘いを受け結菜は即OK
街中の居酒屋で待ち合わせた。
相変わらず目を引くおねーさん系
の美人は結菜を見ると飛びついた。
「オオーツ結菜、久しぶり‼」
結菜はドンとぶつかる背の高い
芽衣を受け止めて
「ドスコイー」
話は中に入ってからと、座敷を
頼んで、案内された個室に
はいった。
「ヤッパリ先ずはビール🍺か?」
「うん。ノンアルで・・・💦」
結菜の大食いに付き合っていた
せいか芽衣もかなりの大食家
「結菜、いっぱい食おう。」
結菜もニコニコしながら
「食おう、食おう。」
昔ながらのノリで注文する。
芽衣は
すっいませーん。
「唐揚げと、刺身の盛り合わせと、
おひたしに、軟骨先ずこれだけ
お願いします。」
「また食べたら頼もう。」
「うん♡
お腹空いたね〜」
芽衣は言いにくそうに
「あれから大丈夫だった?」
「ああ、うん。
大丈夫、大丈夫」
「彼氏できた?
結菜は可愛らしいからね
直ぐ出来た?」
「うん。まあそれなりには・・・」
ドギマギしながら答えた。
「もう随分経ったし・・・
良かった。心配していたのよ。
夏帆ね、結菜からぶんどった癖に
最近雄吾さんと別れるとか
言ってるんだよ。ムカツク」
「ん?結婚話が出てるでしょう
つい二、三日前にバッタリ会った
時にそう自慢してたけど・・・?」
「いやいやまだ別れるカモって
夏帆が言ってるだけで、カモが
あやしいよね。」
「ふう〜ん。」
「なんかね、何処ぞの専務さん
が凄ーくカッコイイみたいで
ヤッパリ、その人が良いらしくて」
は!?(⊙⊙)!!
「専務って言った?」
「うん、道で偶然あったらしいよ。」
( >д<)、;'.・ ゲホゴホゲホゲホ
結菜は喉にビールを引っ掛けた
ゲホゲホゲホゲホゲホゲホ
「な、何ビールを引っ掛けてんの‼
バンバン、大丈夫結菜?」
芽衣は結菜の背中を叩きながら、
「慌てて飲んだら駄目だよー」
と呆れ座間に笑った。
「だあっ━━━━━━━━━てえ‼」
結菜は光寿郎との出会いから
2日前夏帆と道でばったり会い
そこに光寿郎が居合わせた事を
話した。
夏帆に光寿郎をインプットされた
と話した。
「でも専務さんって言ってたから
人違いかもよ。」
と芽衣は笑ったが光寿郎が
九条財閥の跡継ぎと話すと
(꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ ;)エエエッ?
えーっ、それヤバい‼
店員さんが運んできた生ジョッキ
と烏龍茶を受け取りながら、
仰け反った。
「なんで合わせた!
馬鹿‼」
「えーっ、だって本当に偶然
夏帆に会ったのよ。
その時結婚報告聞いたし・・・💦」
芽衣はウンウン頷き
「多分、結菜の仕事終わりを
狙ってマウント取りに行ったんだよ。雄吾さんと結婚決まったって
言ってたからー
所がワンランク上の
結菜の彼氏に!ビックリ
したんだな‼」
「( ꒪∀꒪)ヘッまさか?」
「そのまさかだよ‼
あわよくば乗り換えだね。」
芽衣はモズクをズルズルと
食べながらビール🍺をゴクッ
すっかり箸の止まった結菜に
「結菜、夏帆には気を付けないと
夏帆が落とせなかったオトコに
会った事ある?」
「無い‼」
「もう絶対合わせちゃダメよ。
九条財閥なんて知ったら本気出して
乗っかってくるからね!
分かった?」
うん。
「夏帆、結菜の事好きって
言ってきたオトコ、全部
自分のモノにして来たし
は?
え‼気付いて無かったの?」
「え💦初耳🍺ゴクッ」
「結菜に好きって告りたいって
夏帆に相談したオトコの子は
夏帆がそのままモノにして
いたんだよ。
結菜が気がないんだから
ま、言わないでも良いかと思って
私と結菜と夏帆、仲良かったしね。
ワザワザ喧嘩するような事
言いたくなかったし。」
「芽衣・・・」
「ふふっ!
もう夏帆、結菜の友達じゃあ
無いし
話とかないとね。」
「もし、光寿郎と上手く行ったら
芽衣、会ってくれる。」
「うん、私の彼も結菜に
会いたいって、カッコよく
ないけど、暖かい人だよ。」クスツ
芽衣の話を聞きながら直ぐ光寿郎に
聞いてみたい。
「夏帆に会ってどうだった?
光寿郎、タイプじゃなかった?
何とも思わなかった?」
安心した言葉を直ぐ聞きたい。
「何とも思わなかったよ。」
って言って欲しい・・・
でも光寿郎を信じる意味で
今は聞かない。
彼も仕事で大変なんだから
帰って来てからきいてみよう。
きっと笑いながら
比べ物にならないよ
バカバカしいって笑いながら
言ってくれるはず。
結菜に会えない三日が過ぎ
光寿郎は疲労感に襲われ
帰りのファーストクラスの✈️💨
の中でグッスリと寝込んでいた。
o.。oOOグゥグゥ・。・。・。zzzZZZ
人の気配がして、ふと目を覚ました。
「あ、有難う。」
光寿郎には毛布が掛けられていた。
「ふふっ良く、お休みでしたね。」
ニッコリと笑う柔らかな笑顔は
何処かで会った気がした。
「私覚えてませんか?」
意味ありげな微笑みを見せ彼女は
「えーと、どこだっけ?」
「え💦ショックです。💦」
と甘えた目を向ける彼女は
「私結菜の親友ですよ。
横断歩道で会いました。」
「あ‼ ああ、ああ、あの時の‼」
「良かった。
思い出してもらえて‼」
嬉しそうな満面の笑顔を光寿郎に
向けて来た。
「えっ・・・って事は
キャビンアテンダント?さん?」
「はい。」
「ああ、・・・道理で美人
な訳だね。」
光寿郎も爽やかな笑顔を向ける。
「ふふっありがとうございます。
お名前聞いてもいいですか?」
光寿郎は、脱いだ背広の中から
名刺を取り出し九条です。と
言いながら名刺を渡した。
「え?えーっ凄ーい。
九条財閥の!?」
光寿郎はニコニコしながら
「ふふっ、跡取りです。」
「おつかれな訳ですね!」
夏帆はここで男殺しの甘い
微笑みで光寿郎を攻撃して来た。
九条財閥と聞けば気合いも入る。
普通なら個々で
「君、夏帆さん?だっけ、
良かったら今度会わない?
食事でもどう?」
って来るはず・・・
しかし
「もう少し寝ます
ふああぁ疲れてるんだ」
そう言うと速攻寝てしまった。
肩透かしを食らった夏帆は
光寿郎の整った顔を見ながら
(〃 ̄)-~ポ-♡
益々光寿郎に惹かれてしまった。
靡かない獲物、それも上等品
益々夏帆の闘争心に火が付いた。
柔らかな微笑みの裏では夏帆の
雌豹が目を覚まし、ギラッ
とした目で獲物に、メボシを
つける。
それに光寿郎は稀なイケメン
そんな彼の涼し気な目は夏帆を
魅了した。
「あなたが欲しい。」
スヤスヤ眠る光寿郎に呟く。
夏帆の強い闘争心はサバンナの
空を駆け回るハゲタカのような
鋭い眼差しで光寿郎を捕える
赤い爪をとぎながらじっと
気持ちを抑え込む。
もう直ぐ成田に着くと機内
アナウンスが流れ光寿郎は同行
した秘書に起こされた。
時間はAM9:00
結菜はもう出勤した後だろうか?
同行した重役と秘書を先に
会社にかえした。
光寿郎は父の友人に父からの
頼まれものを渡す為に
別行動をする。
ブラックコーヒーを頼んで
雑誌を買い眠気を覚ます。
車を拾おうと空港のタクシー乗り場
へと向かうと赤い車が光寿郎の
前に止まった。
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