第18話 ややこしや

「ありがとう

美味しかった、ステーキ♬」


「おう、今日は早く寝ろよ。

それと、戸締りはしっかりな‼

誰が来ても開けるなよ!

宅配を名乗る奴が来たら直ぐ

俺に知らせろ‼」


「うん。

お風呂入ったら寝るし。」


結菜を1人にする不安を感じていた。

嫌、考えすぎかもしれない。

奴は父親になるんだし

馬鹿な事はしないだろう。


不安は拭え無い、さっき迄俺は・・・

元彼側の人間だった。


「おう。」






光寿郎はそう言って多分愛莉さん

に会いに行ったと思う。


彼のポケットで携帯が震えていた。


なんの用事があるのか彼は

一言も言わない

私も、もう聞かない。


今はジッとする時間かもしれない。

だって光寿郎が離れた途端

あんなに悲しいなら

友人として側に居れば会いたい時

会えるし、遊びにもいける。


深い関係にならないなら

それは友達の枠の範囲

愛莉さんの事を光寿郎には裏切ら

せない。


あんな気持ちって大変だから。

私が良く分かってる。

すぐ離れるのは無理だ、自分の気持

ちに気付いてしまった。


私は光寿郎が好きなんだ・・・

少しづつ少しづつ離れよう。

今は自分の気持に気付いたばかり

で、どうしていいか分からない。




次の日、結菜は長崎にいた。

目的は勿論!

スぺシャルモンブラン

キャイキヤイ

結菜は真っ直ぐ空港からバスに乗り

九条家所有のホテル側にある、

ケーキカフェ迄足を延ばした。


あー仕事やめて長崎に移住

しようかなぁ〜

美味しいものいっぱいあるし

街は美しいし・・・


「お待たせしました

栗スペシャルモンブランです。」


「ウワッ うわあああぁ

美味しそう♡」

焼き栗の香りがムンムン

柔らかいスポンジに栗のアンが

モッタリ舌を包む。ウマイ‼


雀もチュンチュン仲間入りか?(笑)

あれもコレも並べて

結菜のテーブルはケーキで

満員。


二時間ゆっくりして腰をあげた。


「1泊2日だもんな〜

なにしょうかなぁー」

時刻は12:00を回っていた。


そうだホテル、ホテル有るかなぁ

何処も満員に近い


「そうだ、光寿郎のホテルなら

光寿郎に頼めば何とかなるな‼」


結菜は九条家保有のホテルに

向かった。

運良く一部屋空いていた

多少お高めだったけど他、探して

もあるかないか分からない。

ならお高いけどお泊まりは

ここにしょう。


まあご褒美、ご褒美‼

何時も仕事頑張ってるし

虫歯の治療も頑張ったし・・・


フロントで鍵を貰い一眠りして

また街を散策しょう。


結菜は部屋に通されて

ベッドで埋もれるように寝て

しまった。


プォーン

聞きなれない船の汽笛

結菜は窓のレースカーテンを

開けた。


「うわぁー海?」

向こうに見える

街あかりも薄暗くなった部屋から

夜景は、ダイヤモンドのように

見えた。


結菜はお風呂に入り直ぐ

出かける用意をした。

勿論! あのお寿司屋さん。


ロビーで少しお茶を飲んでると

フロントに背の高いイケメン


ん?

は?

何処にいてもすぐ分かる・・・

・・・光寿郎がいた。


隣にはドレスアップした彼女、

受付の華、愛莉さんが光寿郎と

腕を組んで話し込んでいた。


凄く仲良さそう。


アイメイクもバッチり

唇も、テカテカ可成気合いを

入れてるってわかる。


光寿郎もニヤニヤして2人は

肩を触ったり、髪を触ったり

可成じゃれあっている。

ピッタンコ‼


すると初老の外国人が近づいてきた!

HELLO、kouzyuurou


その言葉に振り返り

neMr.andMrs.Lawrence

「ようこそローレンスご夫妻」

と挨拶を交わしていた。


彼女も凄く慣れた様子で

手際良く・・・


・・・お似合い‼


4人はあの、たっかーいレストラン

へと昇って行った。


ああだから光寿郎も、洒落たスーツ

に蝶ネクタイで居たんだなと

納得した。


光寿郎への昨日の電話は

こうゆう事か‼

結菜が光寿郎は愛莉に会いに行った

とゆう推理は当たっていた。


「ふう、馬鹿みたい‼

初めから無理なの‼」


愛莉さんとのベストカップル

二人とも大人で素敵

結菜の🥀💔恋は長崎で終わった。


2人は早くから長崎入をして

ずっと一緒にいた事は間違いない。

二人はずっと愛し合って

一日を過ごしたんだ

私が昼寝をしてた時もこのホテル

の一番いい部屋で・・・。


結菜は座ったまま動けずにいた。

二時間はいたかもしれない。


「ε-(ーдー)ハァなにしてるんだろう。」

なんか・・・何しょうって気が

起きない。

寿司食べる気満々だったのにw

責任とれよ。

バカ光寿郎ークッソ


とりあえず、光寿郎には

もう会えないかな‼


初めから彼女持ちだし彼女の気持ち

考えたら・・・


人を蹴落としてまで彼を手に入れ

たくは無い。

しかも二人は仲良しじゃん。

私が入る隙間なんかない程



食事も終わったのか

初老の夫婦と光寿郎と愛梨さんが

出て来た!


2人は仲睦ましく腕を組、微笑んで

お互いを見つめていた。


初老の優しそうな2人は

光寿郎と愛莉さんに


Get ready quickly. you a guys

are da ting

「早く結婚しなさい。

あなた達、付き合っているん

でしょう。」


Yes my parents say so

Hey ︎💕︎kojuro

「はい、親にもそうしなさいって

言われてるんです!ね💕光寿郎」


「ああ💦、うん。」


「そう・・お式には呼んでね。

必ずよ、楽しみにしているわ。」


「勿論です。必ずご招待します。」

光寿郎もニコニコと愛想良く

受け応えをしている。


「そう楽しみにしているわ

愛莉の白無垢姿、

OH bunkintakasimadaね。」


光寿郎と愛莉さんは

夫婦を見送り又エレベーターに

乗った。


光寿郎は、

「よし部屋で

祝杯あげるぞ!今夜は

飲み明かしだ‼ いいな愛莉」


愛莉さんは嬉しそうに笑いながら

光寿郎の手を取り

恋人繋ぎをした。

しっかりと繋がれた手を光寿郎は

振りほどきもしない。


2人は並んでエレベーターに

乗りボタンを押した。

締まり始めたエレベーター

の先・・・

光寿郎の目に見えた物は・・・


光寿郎の目がパッ( ⊙ ε ⊙ ;)💦と

開いた。


結菜が呆然と立ちコッチをみていた。

パニックになるも

エレベーターも上昇を始めた。


エレベーターの中で光寿郎の

笑顔が強ばった。

パチパチパチと人差し指で1階を

慌てて連打ポンポンポン



結菜も反対のエレベーターに乗り

上昇、部屋に着くと

荷物を持って直ぐチェックアウト

した。


携帯にはじゃんじゃんと

光寿郎からの着信があった。

余りにうるさいので着拒した。


「今更・・・」


浮気現場を見た時の感情が

湧き上がってきた。

雄吾と光寿郎・・・


こうなる事って最初から

分かっていたなハハハ( ꒪⌓꒪)ハハハ

乾いた笑いが夜の道に響く‼


いや別に光寿郎は彼女のモノだし

ショックを受けるのは

やはり、光寿郎の言葉を信じ

たかったから・・・カモ。



感情を表せない程結菜は深く

傷ついていた。


何時の間にか又あのカフェに

来た。

まだお店は握あっている。


ボーッとして座り込んでいると

暖かいミルクが結菜の前に

コトツと置かれた。


「あ、貴方は?」


「また来て下さって嬉しかった

ですよ。何かありましたか?

こんなに遅く?」


声をかけてきたのはあの可愛らしい

カフェ店員だった。


「あ、あの‼・・・私。」

彼女の顔を見たら何故か

涙が出た。

ポローっと真っ直ぐ涙は頬を

滑る。


「あ、あああぁぁ、ごめんなさい

どうしたの‼ えっと困ったな‼」

雪菜は思わぬ展開にアタフタと

慌てていた。



「お疲れ様でしたー」


「はいお疲れ様‼」

オーナーは、雪菜に挨拶を返す。


雪菜はカフェのアルバイトが終わり

店を出た。


店の外に置かれたテーブルに

朝たらふくケーキを

食べたお客様が目に入った。


あそこは彼女のお気に入りの

テーブルなのか来店した日は必ず

あのテーブルに座る。



彼女は先月彼氏と来店した

可愛いお客様だ・・・。

凄くウチのケーキを大好きだと

言ってくれて沢山たべてくれる。

今日もそうだった。


なのに朝と様子が違って見えた

そのまま帰ろうとしたが

気になって引き返してきた。


彼女の好きなホットミルクを

注文して雪菜も好きなカフェオレ

を手に取り彼女の席についた。


一瞬彼女はビックリした様子で

凄く小さく心細く見えた。


あんなにお喋りな彼女が

すっかり大人しくなっていた。


結菜は「暖かいうちにどうぞ‼」


彼女は、ペコリと頭を下げて


ゴクッとミルクを飲むと


「私が好きなミルク

覚えてくれてたんですね。

ありがとうございます。

凄く、おいしい。

480円でしたよね。」


彼女は財布を取り出そうとしたのを

雪菜が止めた。


「いいの、いいの‼

いつも沢山食べてくれる

お礼‼」



少しづつ彼女は雪菜に心を

開いて来たようで


結菜は雪菜に事の次第を説明した。

昨日の事もさっきの事も

以前浮気現場に乗り込んだ事も


雪菜は静かに聞いていた。

雪菜も、大好きな彼氏と別れて

長崎に来たのだった。


雪菜は彼氏のマンションの近くに

アパートを借りていたが

大体は彼氏のマンションに住んで

いた。


彼氏の大夢は大門と言う大手企業の

娘に気に入られ婿養子の話が

出ていた。


大夢も乗り気に見えて、雪菜は

身を引いた、そんな過去があった。


結菜の気持ちは少し分かる気がした。

「結菜さんウチくる?

ちょっとバスに乗るけど

一人くらい泊めれるよ!」


「ううん、夜行バスで帰ります。

ありがとう。

私、山科結菜と言います。

お世話になりました。」



「ダメダメ、危ないから

1人で返せません。

たいしたところじゃないけど

行こう。」


少し強引に結菜を連れて出た。

このままじゃ消えてしまいそうな

彼女を1人には出来なかかった。

バス停でバスを待ちながら

「私雪菜って言います。

名前似てるね。」


結菜は俯いていた顔をあげ、

「雪菜さん?」

どっかで聞いた名前だが

思い出せなかった。


バス停を2つ過ぎると雪菜の

アパートについた。


割と新しく綺麗な建物だった

205号室


部屋の中はサッパリしていて

でかいソファーがひとつ、テレビ

がひとつ勉強家らしく

スイーツの本が本棚いっぱいを

占めていた。


キッチンには色々と結菜の知らない

器具が並び料理好きなのは

一目で分かった。


結菜が不思議そうに見たものは

男もののシャッがソファーの後ろの

壁にかけてあった。

青と白のストライプのシャツに

グレーのネクタイ。


雪菜は結菜の顔を見て

「ふふふ、も・と・カレの

シャツよ。

大事な幼馴染だったんだァ」


雪菜は結菜に別れた理由を話した。

雪菜にとっては忘れられない

人らしい。


「のむ? ワイン、甘いやつよ

飲みやすいの。」


「すみません。

ありがとうございます。」


「う〜んもう、私達タメなんだ

から普通に話そう。

お酒は楽しく飲まないと!」


「あ、💦ありがとう。」


「うん。」


それからお酒の力も借りて2人で

飲んだ。

光寿郎の事忘れたい

一晩で2人は意気投合し

雪菜、結菜と呼び合うようになった。


次の日雪菜は仕事だった為

結菜は雪菜と一緒に部屋をでた。

雪菜にバスを教えてもらい

長崎から東京行きのバスに乗った


バスに揺られながら光寿郎の

事を思っていた。


「もう、ハッキリ別れよう。

あんな会話聞いたら

もう無理だ‼」


結菜の意思はしっかりとした

決心に変わっていた。







 

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