グローリア

グローリア

このメッセージの矛先はお前に向いている。永らく手入れをしていないを槍の先が、貴様の喉元を狙っている。

　最後の手紙を書いている。あて先はもちろん君だ。君も期待していることだろう。僕からの手紙が届くことを。君の期待を裏切るようで悪いが、そんな大したものではないんだよ。ただの、なんというかその、連絡事項のようなものだ。業務上必要なことを君に伝えるためだけの手紙だ。だからそこには、私の秘められた思いは全く書かれていないし、文章も実用的でつまらないものさ。ちょっとがっかりしているかもしれないね。でも僕は君のしゅんとした顔も大好きだよ。君のその顔をみると、たくさんの女性が君に恋に似た感情を抱くのも不思議ではなくなるよ。人間は、不幸によって最も輝くと君に教えられた。花は散り際だね。

雨上がる

空を喰らう

さてと、明日が始まらない

永訣