第772話 揉み放題
『引き続き捜索はする。あなたの守護隊も動員してほしい』
「もちろんだ。あいつらならすでに動いてるだろうしな」
言わなくても意図を正確に汲んで勝手に成果をあげてくれる。理想的な部下だわ。
『しばらくはブランドンに人員を残して、あの街の復興を助ける。王国側も了承した』
「王国は渋ったか?」
『すこしだけ』
「だろうな」
王国は、世界会議に参加しなかった数少ない国家の一つだ。
今回のブランドンでの作戦行動だって、許可と権限を得るのにかなり手の込んだ説得が必要だったようだ。戦争で弱体化していなければ無理だっただろう。
こんな状況なのに協力を渋るとか、王国には何かやましいことがあるんじゃないだろうか。そう思われても仕方ない。
その時、司令室にノックの音が響いた。
「英雄様。アデライト女史とお連れの方が帰還されました」
「ああ。通してくれ」
『じゃあ、あたしはこれで』
「ああ。また連絡する」
セレンとの念話が終わると同時に、アデライト先生とウィッキーが司令室に入ってきた。
「ただいま帰りました」
「ただいまっすーっ!」
一番に駆け寄って飛びついてきたのは、ウィッキーだった。
「ロートスーっ!」
猫のような跳躍で机を飛び越え、俺の首に腕を巻き付けてくる。
「うお」
ほとんど体当たりだったから、椅子が後ろに傾くのは当然の帰結だった。耐えようと思えば耐えられたが、ウィッキーの身の安全を考慮してそのまま後ろに倒れることにした。そして俺はウィッキーの下敷きになり、豊満なおっぱいに顔をうずめることになったのだ。
「よーやく会えたっす! いつまで待たせるんすかー! もー!」
俺の頭を抱きしめて、巨乳を押し付けてくる。布越しの柔らかい感触は、至上の快楽である。しかし、このままじゃ話もできないので、俺はウィッキーに抱き着かれたまま立ち上がり、椅子を戻して座りなおした。体幹がすごいからこそできる荒業だ。
それから、ウィッキーを膝の上に乗せ、くるりと回転させた。ウィッキーを背中から抱え込むような体勢だ。
そして、背後からおっぱいを揉みしだくことに成功する。
「あ、ちょっとロートスっ」
俺に背後からおっぱいを揉みしだかれている様子を、正面からアデライト先生に見られている。そんな状況だ。
「これ、ちょっと……っていうかかなり恥ずかしいっす……」
「わかる」
恥じらいというのは大切だ。恥じらいがあってこそ、生まれる魅力もあるのだから。
ウィッキーのおっきいお胸を堪能しつつも、俺は極めて真剣な面持ちであった。
「先生。無事でなによりです」
「はい。惜しくも敵は逃がしてしまいましたが」
申し訳なさそうに微笑む先生だが、俺的には先生に怪我がないだけで大勝利だ。
「ネオ・コルトの方はしばらく放っておいても大丈夫でしょう。それよりも、懸念すべきは他にあります」
先生は眼鏡をくいっとあげる。
そして、司令室の壁に映像を映し出した。
「ご覧ください」
ソファに寝ころんでいたアカネも、それをじいっと見つめる。
「神の山。聖域の内部じゃな」
「ええ。その通りです」
先生の声色から察するに、深刻な状況のようだ。
「うう……相変わらずウチの扱いが雑っす……」
俺の膝の上で胸を揉みしだかれるウィッキーは、俯いた顔を紅潮させていた。
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