オレはちびっ子男子

しず。

第1話-奇跡の挑戦者

人には誰だって秘密があって、弱点がある。

例えば雷が嫌い。

野菜が食べれない。

動物が苦手、などなど。


それをわざわざ『苦手なんだよね』なんて口にするヤツはごく僅かだと…オレは思うわけで、


そんなオレにも言えない秘密がある。


「誠くんおはよー!」


「ねぇたまには遊びに行こうよぉ」


「手作りクッキー作ったの!食べてー?」




校門を潜り、歩いていたオレに掛けられる声。


あっと言う間に両サイドに見知らぬ女の子たちがオレの横につき、笑みを浮かべ腕を絡め様とする。


過度な接触は禁止、だったっけ


ふと思い出したのはメンバー一致で決まった決まり事。



『悪い、また今度ね』


上手く躱すのはお手の物。だってオレは…

いや、は今、世間を…とまでは行かないがネット上で騒がれている、


ネットアイドルの一人だから。


最初、ネットでバグった火がついたのはSNSで上げた歌。周りがネットに歌声を上げていて、見様見真似でサイトに歌ってみたを上げたところ、


再生数が1万を優に越し、


SNSのダイレクトメールに、一通の手紙が届いた。




それは若い女子中心に人気を集めている芸能プロダクションのマネージャーで、


業界という視野を広げ、サイトにも手を伸ばしていきたい、という内容のもの。俳優でも歌手でも芸人でもない、ネットアイドルの育成


それが新しいアイドルの形だとか、なんとか


いきなりきたDMでは熱弁され、迷う事なくブロック。ただただ怪しいヤツでしかなく。詐欺か、変態か。の、どれかだと思っていたのだが、


別のアカウント、いわゆる公式アカウントで正式にそのマネージャーの元で仕事をしないか。という話が入り、


あれよ、これよ。という流れで、

似たような経緯で集められたオレらはグループとして、組む事になった。





グループ名は、challenge miracle


フランス語で奇跡の挑戦者。


略して『ミラ』


本当はchamiraでも良かったらしいが、意味は停止。という言葉になるため、却下された。


で、俺を含めてメンバーは4人。


リーダー、りと

副リーダー、佳名斗かなと

メンバー、大賀

そして、最年少のオレ。

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