チビ日月コンビinお祭り+α



「お〜、ヨウ見て?屋台いっぱいだね〜」

「うわーい!はやくいこー!」


6歳のヨウは母親ママのフェネックと一緒にお祭りに来ていた。

にこにことして楽しそうにしている。


「ツクヤ〜、ほらほら屋台よ?」

ふわふわわたあめたべたい…。」


5歳のツクヤも、タイリクオオカミと一緒にお祭りにやってきた。

人が多くてびっくりしたのか、抱っこされている。




ちなみに母親は、どちらも耳と尻尾をないものと意識することで消している。

フレンズが子供を育てるという事自体何も知らないことだらけ故、フレンズを守るためにもフレンズの子ということはパークスタッフですら一部の者しか知らない秘密である。



ヨウはお祭りのゲームに興味があるようだ


「ママ!わなげしたい!」

「お〜…2回までね?」

「はぁい!」


フェネックにお金をもらって、とてとてとお店に向かった。


「やる!!」

「おっ、元気なお客さんだ。ほらどうぞ!」


1ゲームわっか3個、まずは1回目


「えい!」

(ストン!!)


成功!


「やー!」

(ぽすん!)


また成功!


「えーい!」

(ストッ!!)


またまた成功!!


「わっ!?すごいなキミ!」

「わーい!」

「お〜、上手だね〜ヨウ?」


ヨウは3個、景品を受け取った。

すごく嬉しそうににこにことしてる。


「もっかい!もっかい!」

「いいよー、はいどうぞ!」


ヨウは2回目のチャレンジをした。

楽しそうにぴょんぴょんしてわっかを受け取った。


「えへへ…きゅー!」

(スッ!!)


成功!


「てい!」

(ポスッ!)


再び成功!


「やぃ!」

(グルグルグル…スタンッ!!)


なんと…成功!!


「なんと!?すごい!」

「わーい!わーい!」


なんとヨウはこの輪投げを全て入れてしまった。

クリア分のおもちゃをもらってにこにこだ。


「ヨウ、ゲーム上手だね〜?パパに似たのかな?」

「きゅう〜…♪」

「またきてね、かわいい輪投げ名人!」


パークの外の輪投げとは違い、小細工のないつくりであるとはいえここまで上手なのは一種の才能だと思ったフェネックであった。



ヨウとフェネックは今度は射的の屋台にきた。


「お、射的かぁ…」

「ばんばん?ママやって!」


ヨウはお祭りよりも前に、フェネックが夫のケイスケと温泉にてシューティングゲームをやっているのを見たことがある。


「わかったよ〜、ママがんばるねー」

「わぁい!」

「じゃ、よろしくねー」

「お、やりますか奥さん!」


フェネックは、店員から銃を受け取ると景品に狙いを定めて引き金を引いた。


「よっと…」

(ポスッ!!)


まず一つ倒した


「はーいよっと…」

(コトンッ!)


もう一つの景品も倒した。


「これで最後ねー、ふっと…」

(コッ!)


なんと、3回全てで景品を倒した…!


「ママかっこいー!」

「ふー、ケイスケパパとゲームで勝負しててよかった〜…私ってこういう集中するやつ得意かも?」


この家族、ゲーマーすぎる…

きっとキタキツネとはいい勝負ができるだろう。


一方こちらはツクヤとタイリクオオカミ

ツクヤはチョコバナナをもらっている


「さあ、次はふわふわね!」

「ふあふあ〜」モグモグ


ツクヤはお祭りのゲームより食べ物に関心があるようで、色々とモグモグしている。


「ふふ、おいしい?」

「おいひぃ」

「よかった、ツクヤは食べるの好きね〜?帰ったらはみがきしましょうね!」

「はぁい」


ヨウがゲームをやっている間も、ツクヤはベビーカステラやかき氷も食べている。

こんなに食べてそんなに太らないらしいのは我々からしたらうらやましい限りだろう。


「はぷっ…」ケフッ

「食べた?じゃあふわふわ買いに行きましょ」


タイリクオオカミはツクヤをだっこしてわたあめ屋へ向かった。


「すみません〜、わたあめください?」

「はいよ、かわいいお子さんですね!女の子ですか?」

「ふふふっ…たまに間違えられるんですけど、男の子なんです。」


ツクヤは店員からわたあめを受け取ると、はむっと一口食べてにこにこした。


「おいひぃ…♪」


まだしっぽを消せないツクヤは、出っ放しのちいさなしっぽをフリフリとさせながら嬉しそうにわたあめを頬張った。


「ふふっ♪ツクヤ、食べるの大好きね!パパに似たのかしら?」

「〜?(きょとん)」


ツクヤのよく食べるところは、実は父親似なのである。

タイリクオオカミとツクヤが歩いていると、向こうからフェネックとヨウが来た。


「お〜、タイリクオオカミも来てたんだね〜?」

「そうね!ツクヤの大好きな食べ物をいっぱい買ってたわ!」

「ツクヤー!」


ヨウはツクヤに駆け寄って行った。

そして、ツクヤに屋台の景品のおもちゃを分けてあげていた。


「あら?ヨウくん、くれるの?」

「うん!いっぱい貰えたからあげる!」

「わふぅ〜…♪ありがと…♪」


この時のヨウにとって、ツクヤはかわいい弟のような存在だった。

だからいろいろと優しくしてあげたくなっていたのだろう。

これも、今のヨウを作っている経験の一つである。


「じゃあ、この袋に入れていくといいよー?」

「あら、そんなの用意してたの…!?」

「まあね〜?景品をいっぱいゲットするのはわかってたし!」


タイリクオオカミは、フェネックの用意周到さを再確認しながらフェネックから受け取った袋に貰ったおもちゃを入れた。


「あら…火薬の匂い。そろそろ花火かしら?」

「ほ〜、そろそろか〜」


花火が始まる気配を感じていると、ワゴンを引っ張っている人がいるのが見えた。


「光る剣、光る銃はいらんかね〜」

「パパ!」

「ケイスケだぁ…!?」


光るグッズを売っていたのは…ケイスケだった。


「いやはや、なんでも屋の仕事ってこれだったんだねぇ…」

「まあ、依頼されてな?どうも本来やる人が夏風邪で倒れたらしくてさぁ…ところで奥さん、ヒカッテルセイバーとチカチカスールガンはいらんかね?」

「なーにそのネーミング?」


光るグッズは、どれも微妙なネーミングであった。


「開発にギンギツネも関わってるらしいからな?」

「うーん…なるほど…」


そんなこんな話して、結局子供二人が光るグッズに興味を持ったのでヨウは剣、ツクヤは銃を買ってもらった。


「きゅー!」「わふー!」


そして、ケイスケはワゴンを引いて人混みを歩いて行った。


「光るグッズはいらんかね〜」

「ケイスケさんって、意外と仕事選ばないのね…?」

「仕事選ばないっていうか…親切すぎていろいろ受けちゃうって感じ?」


ママコンビが話していると、花火の開始のアナウンスが鳴った。


「お?」

「そろそろね!」


そして…


『ヒュー…ドン!!!』


ものすごく大きな音と共に、派手な光の花が空に咲いた。

それはとても美しい光景であるが…


『ドン!!!ドン!!』


「わふっ!?」ビクッ

「ツクヤ?」


ツクヤはちいさな耳を畳んでふるふるとすると…


「う…う…うあぁぁぁぁっ!!!」


大きな声で泣き出してしまった。

突然の花火の音にびっくりしたのだろう。


「あら、あらあら…どうしよう?」

「ううあああ!!!」


すると…


「ツクヤ〜」ムギュ

「ぐす…ぐす…」


ヨウがツクヤを抱き寄せて、優しくハグをした。


「ヨウくん…優しいわね?」

「やっぱり弟みたいに思ってるのかな?」

「ぐす…だっこ〜」


ツクヤは少しずつ落ち着いて、タイリクオオカミに抱っこしてもらった。


「ぼくもー!」

「はいはい〜っと…」


ヨウもフェネックに抱っこしてもらい、四人で一緒に花火を見た。


「わー!」パチパチ

「むふ…」


二人とも、楽しいお祭りになってよかったね!







〜おまけ〜


「このへんだったな…。」


光るグッズを売って歩いていたケイスケは突然立ち止まり、誰もいない場所を見つめていた。


「そこにいるのはわかってるぜ?」

『——!!』


すると、物陰からセルリアンが湧くように出てきた。

店番+お祭りの警備もやっていたのだ。


「やれやれ、すまないが輝きは非売品なんだ。お引き取り願うぜ!」


『コモド!』


『ディディディD・N・A!

ディディディD・N・A!』


ラップのような待機音と共に変身する体制をとった。


「変身!」


『迫る影コモドオオトカゲ!

この毒霧、驚くなかれ!』


「仮面フレンズデオキシ・コモドフォーム…毒にも薬にもなるぜ?」


デオキシは、変身してさらにワゴンの上のビームガンを手に取った。

どうやら本物の銃が紛れ込んでいたようだ。


『ジーンショック!』


「そんじゃ行くぜ!掛け合わせ!」


そういうと、デオキシはビームガンの装填口にカプセルを装填した。


『クジャク!』


「店任されてんだ、さっさと終わらせるぜ!」


『キメラティック・バスター!』


ビームガンから極太のビームが放たれてセルリアンを吹っ飛ばし、空高く打ち上げた。


『ドーーーン!!』


そして、セルリアンは紫色の花火となって爆散四散した。


「汚くもない花火だな?

…なんてな、これでセルリアンは寄ってこないだろ。」


コモドオオトカゲの製薬と派手な鳥類であるクジャクを掛け合わせて、セルリアンよけでお祭り全体を守ったのだ。


ちなみに毒はないから大丈夫だ、毒にも薬にもというのはそういうこと。



「ヒトやフレンズには効果はないとはいえ…普通に撒くには良い気のしない色だったからな…花火みたいにして正解だな?

さてと…店番の続きだな。」



変身を解いたケイスケは、またワゴンを引いてお祭りの中へ戻っていった。

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