EXP分のダメージってどんだけ…?

サンサントニー

第1話

「カンスト」… カウンター・ストップの略語であり、「数値が上限に達しカウントできない事…。」


VRMMORPG 「フロンティア・アライブ」

発売開始から、2年たった今でも、その人気が冷める事無く、逆に、人気は上がっている。

全世界のプレイヤーの数は、500万人以上いるのである…。

俺は、名を馳せるプレイヤー、トップランカーに並ぶ実力を持ち、ソロで、プレイしている事から...。

「銀狼のシュウ」と、プレイヤーの間では、そう呼ばれていた事を、陰ながら知っていた。

恥ずかしくもあり、自分に合った名前だな…と思っていた。


しかし、今の現状を返り見ると、何故こうなった…と思考を巡らせていたのであった…。


確かに俺は、VRギアを外して、時間的に遅い夜食を摂り、眠りについたはずだった…。

何故…?だった なのかというと、眼を覚ますとそこは…、「フロンティア・アライブ」の世界の中であり、見た事のあるグラフィックの街は、始まりの街「ピエット」の街の中央の噴水の前にたっていたからである…。


「おかしい…。確かにVRギアは外して、眠りについたはずなのにな…?」


「まずは…ログアウトを探すか。」


と1人呟いて、設定画面のカーソルを探す。

しかし、いくら探しても、「ログアウト」の項目は見つからず、段々と、自分の嫌な考えが現実を帯びて来たことに、焦燥と恐怖が込み上げてくる…。

込み上げてくるモノを誤魔化すために「ステータス」を確認する。


シュウ

LV99

HP 999

MP 999

EXP99999999


とだけ表示される。


「はぁ?」


と表示された情報に意味が分からず。

何故、「HP」.「MP」「経験値」だけ表示されるのか理解出来ずにいると、始まりの街の入口の方が騒がしい事に気がついた。


「どうしたんだ?」


と入口に向かいながら、これから、一体、自分はどうなってしまうのか…と思いながら。


騒がしい入口に着くと、法衣を着た魔法使いの女の子が、傷だらけで、助けを募っている。

なんでも、ここいらのフィールドでは、出現する筈の無い「オーガ」が出てきて、襲われたらしい…。

なんでも、仲間達が防いでいる内に、助けを呼んでくるように言われたので助けを募っていた。

しかし、此処は始まりの街であり、「オーガ」を倒せるような人はおらず、皆その女の子を助けてやる事はできないでいた…。


俺は1人違う事を考えていた。

(アイテムボックスは… 使えるな、装備も、ゲームのままだな、これならオーバキルだろうが…?)

と考えを切り替え、女の子に話しかけてみた。


「話を聞いていたんだが…?案内してもらえるかな?俺なら君の助けになれると思うだが…?」

「え?貴方は…?」

「シュウという。移動しながら、話さないか?。」

「あ…ありがとうございます。わたしは、リサです。こっちです。」


と自己紹介をして、「オーガ」の居場所に急いで2人で移動するのだった…。











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