第93話:練金術が進化したんだが③

 次に、もう一つ覚えたスキル——『アイテム性質変換』を試してみる。


 まず、もう一度『錬金術』で生命力ポーションと魔力ポーションを一本ずつ用意した。


 そして、スキルを使用してみる。


 性質変換する対象を一つ選ばなければならないようなので、生命力ポーションを選択。


 すると、まるでAR画像のような——ちょうどステータスウィンドウのような表示が出てきた。


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 『生命力ポーション』性質変換候補


 ・攻撃力ポーション

 ・防御力ポーション

 ・攻撃速度ポーション

 ・移動速度ポーション

 ・魔法攻撃力ポーション

 ・魔法抵抗力ポーション

 ・精神力ポーション

 ・魔力ポーション

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 どうやら、このスキルの機能はポーションの効果を自在に変えられるものらしかった。


 しかし、この並び……どこかで見たような?


 思い当たるものがある。


「ステータス欄のものに関係してるのか……」


 この世界では、今のところ生命力ポーションと魔力ポーション以外は存在しないと言われている。


 しかし、俺のスキルを使えば他のステータスも上昇することができるかもしれない。


 まだ飲んでいないので正確なところはわからないが……いや、飲んで確かめた方が早いな。


 生命力ポーションを移動速度ポーションに変換し——


 ごくん。


 効果はすぐに現れた。


 身体がめちゃくちゃ軽くなったように感じる。


 ちょっとその辺を歩いてみると、かなり移動速度が上がったように感じられる。


 普段と同じくらいの速度なら移動が楽になるし、最高速は格段に早くなっている。


 効果は本物だったようだ。


 となるとだが、もしかして……。


「これって組み合わせたらヤバいことになっちゃうんじゃないか?」


 そう思って、さっき作ったばかりの光り輝く生命力ポーションレベル5と、光り輝く魔力ポーションレベル5をアイテムスロットから取り出した。


 光り輝く魔力ポーションレベル5に、『アイテム性質変換』を使ってみる。


 すると——


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 『光り輝く魔力ポーションレベル5』性質変換候補


 ・光り輝く攻撃力ポーションレベル5

 ・光り輝く防御力ポーションレベル5

 ・光り輝く攻撃速度ポーションレベル5

 ・光り輝く移動速度ポーションレベル5

 ・光り輝く魔法攻撃力ポーションレベル5

 ・光り輝く魔法抵抗力ポーションレベル5

 ・光り輝く精神力ポーションレベル5

 ・光り輝く魔力ポーションレベル5

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 こ、これは想像以上にヤバイな……。


 最強のポーションを全種類集めて『アイテム合成』で一まとめにしておけば、どんな状況になっても何とかなってしまいそうだ……。


 まだまだポーションの材料は腐るほど在庫を抱えているので、後で最強のポーションを作っておくこととしよう。


 俺がポーション作成に勤しんでいると、アレリアとアイナの二人が楽しそうに雑貨店から出てきた。


 俺を見つけて、二人が駆け寄ってくる。


「今日は良いものがたくさん買えました!」


「きっと喜んでくれるわよ」


「結局何を買ったんだ?」


 俺が尋ねると、アレリアは喜んで買ったものを見せてくれた。


「私のフィギュアです!」


「お、おう……」


 これはまた、かなり精巧に作られたフィギュアだった。


 アレリアの美しさをそのままに、剣を振るう凛々しい姿。


 どんな気持ちで自分のフィギュアを買ったんだろう……?


「あと別のバージョンのも買いました! ちょっとこっちはエッチぃ感じなのでお土産にはしませんけど」


 見せてくれたのは、確かにエッチな感じだった。服をはだけさせ、顔を赤めて恥ずかしがるアレリアの象。


 興味を持ったら負けな気がするが、本能が興味を持たせようとしてくる……!


「こ、こんなけしからんものを置くとは……ちょっとあの店指導しなきゃいけないな!」


 決して自分用に一つ欲しいというわけではないが、こんな低俗な物を置くのは許せないので、後日指導のついでに代金を払った上で買取り……否、押収しに行くとしよう。


 その後は食べ物関係のお土産を買いに周り、王城に帰還。


 明日に備えてゆっくりと眠った。

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