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目次
おれのプリン
おれのプリンは崩れた
崩れたのはおれのプリンだけだった
他のプリンは奇跡的に皆、無事だった
喜びを分かち合っていた
だがおれのプリンは崩れた
耐震補強に問題があった？
「あーあ」
近所のガキが指差して笑った
早速、輪切りにした
他のは皆、無事だった
だから取材班が駆け付けた
「プリンが粉々になった気分はどうですかあ！」
粉々にはなってない
おいっ
勝手に事実を捻じ曲げようとするなよ
おれは報道陣にサリンを撒いて撃退した
「しっしっ」
だがおれの手首とかにも掛かり死ぬことになった
まあ人は皆、死ぬからそれは良しとしよう
問題はおれのプリンだけが勝手に崩れ去ったことだな
なんなんだあいつ………
もしかして自殺だったのか？
おれは思った
これから自らに訪れる未来を悲観して勝手に死んだのかな？
最終的には胃の中でぐちゃぐちゃ
その気持ちもわかる
いや、よくわからない
わかったふりだけなら出来るが
おれのプリンは予めぐちゃぐちゃ
しかも内的な要因によって
なあ
お前どう思う？
「咀嚼回数の減少に伴う口内筋の負担軽減に思わずにっこりですね」
そうだね
おれのプリンだけが
何故？
プリンを取り替えてもらおうかとも思った
けど容器には予め名前が記されていた
それはおれの名だった
どうやらそれはおれ専用のプリンらしい
辺りを見渡した
おれのプリンだけなのな崩れてるのは
他の人のプリンはちゃんと容器から出してもそこに突っ立ってるのな
頑張れよ
せめておれが食うまではさ
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