美しい湖へ


前か

後ろかは

よくわからないが

おれは歩いていた

両手には新しい感覚があった

わざわざ見る必要なんてない

そこにあるだろ?

そしておむすびが視界いっぱいに飛び跳ねていたから

多分、中身は虹だろう

もしも

美しい湖に辿り着けるのなら

そこへきれいな形の石を

投げ込めばいい

水面が

揺れて

その波紋はきっと何処までも続くだろう

それを眺めるきみが

狂ってしまうとしても

今ここで

予感は要らない

けして振り返らないで

その先へ

おれたちは二度と戻らない旅の途中さ


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