全部、忘れて


やる気は無かった

詩を書く気力は全く起きなかった

毎日はつまらなく退屈だった

生きる理由なんて何処にも無かった

ただ死んでいないから生きているだけだった

のそのそと動き回った

のそのそと動き回ってぶどうパンを頬張ったりしていた

生きている実感はまるで無かった

このまま何もかも終わってしまうのかと思うとぞっとした

試合開始する前に終了するような

そのようなことはなるべく考えないようにした

ただ眠ることだけが楽しかった

明日の朝なんて来なければいいのにと思った

だが画面の向こうから明けない夜は無いと笑顔で宣告された

大切だったものは次々と破壊された

全部、忘れてしまおう

そうでなければ生きていけない


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