パンナコッタ食べたい


パンナコッタ食べたい

無性に

誰かをぶち殺してでもパンナコッタを食べたい

パンナコッタの

ナコ

の部分に

激しくそそられている自分がいる

こんなにもパンナコッタを食べたいと思うなんてもう無いだろう

「どうなってしまったのだろうおれの身体は」

だがそんな疑問よりまずパンナコッタ食べたい

パンナコッタにパンナコッタを添えて食べたい

パンナコッタを液体パンナコッタに浸して

仕上げに粉末パンナコッタを振り掛けて

食べたい

あるいは生のままパンナコッタを食べたい

新鮮な採りたてパンナコッタに丸ごと噛り付きたい

匙なんて必要無い

身体を掻き毟るほどにパンナコッタが食べたい

「パンナコッタ………はあはあ」

パンナコッタくれ

酸素とかもう要らないから

早急にパンナコッタを目の前に用意しろ

パンナコッタ

パンナコッタアアッ

まるで生き別れた恋人のよう

身体が渇望していた

もはやパンナコッタ無しの生活なんて微塵も考えられない

それさえあれば大抵のことは乗り越えられるそんな気がした

そしておれはパンナコッタを目の前にした

「………なんか思ってたのと違うね」

捨てた


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