穏やかな海
穏やかな海で
おれの裸体が
切り刻まれて
流されていた
自分の意思ではなかった
水面は太陽光を反射し
きらめいていた
見上げれば
上空には真っ白な雲がぷかり
風は無く
前髪はけして乱れることなく
おれの利き腕は千切れ
さっき後ろへ流れていくのを確認した
何かを思うべきなんだろうが
その言葉が思い浮かばない
時計が無くても流れる時間があるのなら
おれがここへ来てから
もう随分と時が流れた筈だ
少年がやがて大人になり
季節は移り変わって
そしておれは死ぬのか?
こうして何処にも辿り着けないまま
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