受付


全く苛々してくるな

この苛々だけはどうにもなりそうもない

チンパンジーが受付にいておれの対応にあたったのだ

「いい天気っすね!」

そいつは言った

おれの紳士的な態度にも限界がある

おれは空を見上げた

だがビルの中なのでよくわからなかった

チンパンジーはネクタイをキュッと締めお洒落さん

終始にこやかだった

だがおれは信じない

そもそもこいつはチンパンジーではないか

それなのに喋るだなんて………

ややこしい

世の中、罠だらけだ

うかうかしているとたちまちそこに絡め取られてしまう

気を引き締めなくては

そう思った

チンパンジーはデスクの上のボタンを撫で回していた

「………それ、何のボタンですか?」

おれは尋ねた

「さあねえ」

チンパンジーはムシシッと笑った

歯茎が異様に露出していた


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